【その1_3/27(金)から大阪で】宮藤官九郎が3年ぶりに俳優として出演! 舞台「結びの庭」で麻生久美子の相手役に

大阪公演は、3/27(金)~29(日)、シアター・ドラマシティで
  • 大阪公演は、3/27(金)~29(日)、シアター・ドラマシティで

岩松 了の作・演出作品を上演する企画公演の新作に、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の脚本家・宮藤官九郎が、俳優として3年ぶりに出演。サスペンスタッチの恋愛劇で、殺人事件の容疑者だった財閥令嬢の弁護を担当した縁で夫婦となる、エリート弁護士を演じる。相手役は麻生久美子。隠された謎を巡って展開する、複雑な男女の関係…。新境地とも言える岩松版サスペンスドラマの登場だ。取材は東京の稽古場。作品への意気込みと俳優としての思い、また関西に初登場する宮藤の新作歌舞伎『六本木歌舞伎』(東京は閉幕。大阪は8月に上演)についても話を聞いた。

Q:岩松さんの作品は『アイドル、かくの如し』以来ですが、岩松作品のおもしろさは? 

宮藤:ボクはもともと、岩松さんが書いて演出されてるお芝居がすごい好きだったんですよね。“大人計画”に入った頃から「あ、こういうお芝居もあるんだなぁ」って思って観だしてから。日常の中にある不条理みたいなことを書いてる人って、意外といない。20年ぐらい観てますけど、やっぱりいないなぁと思って。日常の中にこんな不条理なことがあるんだっていうのを初めて観たような気がしたんですよね。20年以上前の若い時ですけど、岩松さんの『アイスクリームマン』とか『センター街』とか観た時に「すごいな! なんかヒリヒリするな」と思って。自分の感性も若かったんですけど、それ以来、ずっと好きなんです。

Q:稽古はいかがですか? “大人計画”や“劇団☆新感線”とは役の雰囲気が違うので。

宮藤:岩松さんの作品だと、自分の違う面を引き出してもらえるので、稽古は楽しいです。稽古のやり方は独特で、松尾(スズキ)さんとも全然違う。なんか、違うところを鍛えられてるような気がしますね。俳優としてというか、人間としてというか…。“大人計画”だと、ボクが演出されるのは一番最後で、わりとほったらかし、なんですよ。で、最後に締めるっていうところが多いから。普段使っていない筋肉を使ってる感じがしますね、今回は。

Q:「結びの庭」は、これまでになくドラマチックですね。

宮藤:ここまで明確にドラマチックなのは、岩松さんの新境地な気がしますね。自分にとってもそうですよ。これが役者のターニングポイントにならなかったら、役者としてダメですよね(笑)。この作品が自分にとっての分岐点というか、これでなんか新しい何かが引き出されなかったら「オレ、役者としてダメだなぁ」って思うぐらい、今までやったことのないことが目白押しですね。セリフも、なんでこんなに覚えづらいんだろうって思ったんですけど、今まで言ったことのないセリフだからだって、ここ何日か思っています(笑)。

Q:本はまだ最後までできていないとか?

宮藤:しかも、まだ立ち稽古してないシーンもあるんで、そこが一番不安なところなんですけど。こんなにカッコイイ役だし、こんなにまっすぐ奥さんのこと愛してる役だし、こんなのやったことないって最初思いましたけど、毎日やってたら慣れて出来てるふうになっちゃうんですけどね。で、ふとした時に「いや、ダメだこれじゃ」と思って。「ちゃんとやんなきゃダメだ」って、毎日思ってます。いやぁ、難しいですよ、ほんとに。

Q:じゃ、宮藤さんにとってこの作品、大事ですね。

宮藤:自分の俳優としてのイメージをどう持たれてるかわからないですけど、その中には間違いなく“ない”役なんで。これで新しい一面見せられなかったらオレ、ダメだなって言われてるような台本なので。ちょっと踏ん張って頑張ろうって思ってます。

Q:今回の作品のおもしろさは?

宮藤:夫婦の関係性のおもしろさが、一番だと思うんですけど。以前、奥さんは殺人事件の容疑者で、その弁護をした自分が奥さんと結婚してるわけですよね。だけど、奥さんがもしかしたら、実は犯罪を犯したんじゃないかって疑ってるという、その設定がもう。普通2時間ドラマでやったらベッタベタになるところを、表面的にはそれをほとんど出さずにやってる。言葉ではほとんど言わずに、夫婦生活を普通に淡々と「洗濯物、庭に干したよ」とかっていう会話だけで、それを感じさせてるっていうところが、すごいと思いますね。だから、ちょっと観たことのないお芝居なんじゃないかなと思います。

Q:『火曜サスペンス劇場』みたいになるんじゃないかと…。

宮藤:なってない、なってないんですよ。すごくわかりやすいし、夫婦の話だし。まだ最後までできてないから何とも言えないですけど、最後まで観たら、多分この夫婦のことが愛おしく見えるようなお話になると思うんです。だとしたら、素晴らしいなぁと思うんで。あとはもう、ほんとにそこにハマるオレだけですね(笑)。そこにちゃんとハマんないんだったら、もうやめた方がいいよ、みたいな。

Q:じゃ、ハマらなかったら「結びの庭」は失敗に終わると?

宮藤:そうですね、オレのせいですね(笑)。東京では、まだ試行錯誤してるかもしれないけど、大阪に行く頃にはなんとか、違う形かもしれないけど完成はしてるはずなんで、大阪には晴れてちゃんとしたものを持って行きますから(笑)。是非観ていただきたいです。

※【その2】に続く

【取材・文=ドルフィン・コミュニケーション】

■宮藤官九郎(くどう・かんくろう)
1970年7/19、宮城県生まれ。91年より「大人計画」に参加し、自身のプロデュースユニット“ウーマンリブ”では作・演出を手掛ける。脚本家賞を多数受賞する人気脚本家で、13年のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」では社会現象を巻き起こした。舞台・映画・ドラマの脚本家で、監督、俳優、ミュージシャンなど多彩に活躍。
■STAGE
M&Oplaysプロデュース
「結びの庭」
期間:3/27(金)~29(日) 
会場:シアター・ドラマシティ
作・演出・出演:岩松 了
出演:宮藤官九郎/麻生久美子/太賀/安藤玉恵
価格:7,500
問:梅田芸術劇場(06・6377・3888)

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