パパは偏屈?イーストウッド息子が明かす父親の性格

父から受け継いだものは「映画と音楽に対する熱い気持ち」と話すカイル・イーストウッド
  • 父から受け継いだものは「映画と音楽に対する熱い気持ち」と話すカイル・イーストウッド

今や誰もが認めるアメリカの名匠クリント・イーストウッド。このたび日本政府から2009年の旭日中綬章が授与されることを受け、次回作を撮影中の父親に代わり、息子のカイル・イーストウッドが来日。4月29日に記者会見が実施され、父であるクリントについて大いに語ってくれた。

まず、カイルは受賞について、「とてもうれしいニュース。日本を舞台にした『硫黄島からの手紙』(06)を手掛けたことも関係しているかもしれません」と喜びを口にした。

ジャズ・ミュージシャンでもあるカイルは、実は現在公開中の『グラン・トリノ』で音楽を担当している。そんな彼から見て、父親のベストの作品は何なのだろうか?

『ダーティハリー』(71)、『アウトロー』(76)とともに『グラン・トリノ』を好きな作品ベスト3に挙げたカイル。「これまでのクリント・イーストウッドの作品とは少し違うタイプの作品かもしれませんが、父は監督としても俳優としてもなかなかいい仕事をしたんじゃないかな(笑)」とあまりにも偉大な父親を持ったからこそ言えるなんとも小粋なコメント。

本作でクリント演じる主人公ウォルトは、元軍人の頑固モノ。周囲をまったく寄せ付けない父親には息子たちも手を焼くほどだ。クリントは「まるで自分を念頭に置かれて書かれたような男」と話すほど役に通じる部分が多いようだが、カイルから見た実際の父親も気難しいジイサンなのだろうか?

息子の父親評はというと、「あそこまで偏屈ではないです(笑)。ただその資質は感じますね。父も朝鮮戦争を経験しているので、役に共感する部分は多いと思います。普段はもの静かで穏やかです」とのこと。

これまで、カイルは『ミリオンダラー〜』、『硫黄島〜』など、父親の作品の音楽を手掛けてきた。『グラン・トリノ』に関しては、「人と人との会話で成立しているので、音楽のタイミングをみつけるのが難しかった。音楽は作品の感動を高めるものですが、物語の邪魔をしてはいけない。父と一緒に音楽を入れるスポットを探しました。最後の曲は、自分の自信作です」と語ったとおり、本作のエンディングで静かな音楽とともに感動があふれ出していた。

父クリントが『ミリオンダラー・ベイビー』(04)以来4年ぶりに俳優としてスクリーンに復活し、男の美学が詰まった彼の集大成的作品。しかし、現在78歳のクリントは、本作を最後に俳優業から引退すると言われている。やはり体力的にキツイのかとウワサされているが、カイルは「俳優に復帰する可能性はある」と話す。

「父は今、監督業を気に入っていて、カメラの前よりもカメラの奥にいることを好んでいるようですが、今回のように素晴らしい作品にまた出会えれば、父を止めるものはないでしょう。そのくらい『グラン・トリノ』は父にとって興味深い作品だったのだと思います。世代によっては、異文化に対して偏見や先入観を抱きがちな人々もいて、ウォルトも視野の狭い人間です。でも根はとても良い人で、異文化の人たちの助けを借りながら、彼らにいい意味でのお返しをする。この映画には、世代を超えて人々に伝わるメッセージがあると思います」

父と息子の映画と音楽に対する情熱が詰まった『グラン・トリノ』。イーストウッド親子の仕事っぷりを劇場で感じよう!【MovieWalker/鈴木菜保美】

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