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第15回ニッポン・コネクションの受賞作品が発表!

MovieWalker 2015年6月9日 18時36分 配信

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6月2日からドイツ、フランクフルトで開催されていた第15回ニッポン・コネクションの受賞作品が発表された。本映画祭は世界最大規模の日本映画の専門の映画祭と知られ、今年は『寄生獣』のような大作から長編デビュー前のインディーズの新人監督作まで、100作近い多彩な作品が紹介された。

賞のノミネート対象としては、日本で製作もしくは日本人監督のもとで撮影された2014年および、2015年の長編作品となっており、受賞の結果と共に、ニッポン・ヴィジョンズ部門の審査員を務めた映画監督の廣木隆一氏、熊切和嘉氏、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭ディレクターである塩田時敏氏の3人の選評をフランクフルトから速報で届けてもらった。

●Nippon Visions Jury Award:ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞

『THE COCKPIT』三宅唱監督

ジャパニーズヒップホップグループの「SIMI LAB」のMC、トラックメイカーのOMSB、「THE OTOGIBANASHI'S」のBimのふたりを軸にした、5人のラッパーたちの音作りの様子をヴィヴィッドにとらえた作品。「ドキュメンタリーと見せかけつつ、動きのない定点カメラですが、今の日本の青春映画の匂いを感じさせて、ボンクラな若者の躍動感が伝わってきます。フィックスの画面ですが、サンプリングの音楽のノリのよさで飽きることなくのせるやり方も面白い作品でした。新しい音楽映画となっています。 狭い一室だけの小さい作品ですが、広く大きな可能性を感じました」(ゆうばり国際ファンタスティック映画祭ディレクター 塩田時敏氏)。本作は6月19日までユーロスペースでレイトショー公開中。

●Nippon Visions Special Mention:ニッポン・ヴィジョンズ審査員特別賞

『DUAL CITY』長谷川億名監督

長谷川監督のSFへのアプローチの意気込みを高く評価して、力強い奨励のエールが送られた。「この世界観をアニメーションでなく、実写でちゃんとやろうとしていることに気合を感じました。生身の人間の演出が観る者に迫ってくるものであればさらによかったと思います」(熊切和嘉監督評)

『色道四十八手 たからぶね』井川耕一郎監督

ピンク映画黎明期から業界を支え、200作近い作品を撮り続けてきた渡辺護監督の企画により、「四十八手」「春画」という日本独特のエロティシズムを題材に得た作品。亡くなった渡辺監督の遺志を受け継ぎ、井川耕一郎監督が作品を仕上げた。「ピンク映画50周年記念映画だからということでなくて、スワッピングにいたる脚本のうまさと四十八手のからめ方が絶妙によかったです」(廣木隆一監督評)

「ニッポン・シネマ」部門の観客賞である「ニッポン・シネマ賞」は今年で第11回目の授賞となり、賞金はフランクフルトのメッツラー銀行から提供される2,000ユーロ。「ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞」の受賞作品には、日本映像翻訳アカデミー(於: 東京)の協賛による、次回作の字幕製作権が与えられる。「ニッポン・ヴィジョンズ観客賞」は観客の投票によって受賞作品が選ばれ、フランクフルト日本文化普及センターの協賛による賞金は1,000ユーロ。そのほかの受賞結果は以下の通り。

<ニッポン・シネマ部門>

Nippon Cinema Award :ニッポン・シネマ賞 『太秦ライムライト』落合賢監督

Nippon Visions Audience Award :ニッポン・ビジョンズ観客賞『-1287』イアン・トーマス・アッシュ監督(第二位は鎌仲ひとみ監督作『小さき声のカノン』。第三位は時田美昭監督作『夢は牛のお医者さん』)

【取材・文/金原由佳】

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