加瀬亮が悪戦苦闘して演じる「重力ピエロ」、その役作りとは?

今後の目標は「世界の小さな作品にも携わっていきたい」とのこと
  • 今後の目標は「世界の小さな作品にも携わっていきたい」とのこと

人気小説家・伊坂幸太郎の原作を映画化した「重力ピエロ」(5/23公開)。ある兄弟が連続放火事件を追ううちに明らかになっていく、家族の重い過去と絆が描かれる。本作で弟思いの兄・泉水を自然体で演じているのが加瀬 亮。しかし、実は「悪戦苦闘だった」という彼に役作りから俳優という仕事への思いまで、たっぷりと語ってもらった!

─今回は伊坂幸太郎さんの作品の中でも、上位の人気を誇る「重力ピエロ」が原作ですが、撮影前に小説は読まれましたか?

「実はいまだに読んでいないんです(笑)。映画だと原作とは別モノになってくるし、やっぱり映画の脚本を起こした人と原作者の意図の違いを感じると、フラストレーションになるので、読まないようにしているんです」

─では、原作を読んでいないだけに原作者の伊坂さんは「いい映画だ」という大絶賛の言葉は、かなりうれしかったのでは?

「そうですね。原作者はもちろん、小説が好きな人に褒められるのはうれしいです。『ハチミツとクローバー』('06)の時は現場で僕だけ原作を読んでいなくてひんしゅくを買ったので(笑)、原作を読んだんですけど、記者の方で原作ファンの方がいて“何でああいうふうに演じたんですか?”って怒られましたね…。あの時は“ゴメンなさい!”としか言えなかったです(笑)。だから、今回は伊坂さんの言葉を聞いて、ホッとしました」

─本作のメガホンを取った「Laundry」('02)の森淳一監督とは、今回初めて一緒にお仕事をされましたが、いかがでしたか?

「森監督は不思議な感性を持った方で、演技に求めてられているものが最初はよくわからなくて…(苦笑)。監督は“さわやかなラストにしたい”っておっしゃっていたんですけど、脚本を読んでも決してさわやかじゃないので、ほかの人と“さわやか”の解釈が違うのかなって。だけど、その不思議な感性が映画にも反映されて“ミステリー娯楽作”として楽しめる作品になったんだと思います」

─どんな演技が求められているか分からないなかで、家族の重い過去を乗り越える“家族の絆”を表現することも大変だったんじゃないですか? 特に岡田将生さん演じる弟・春との間には“複雑な事情”もある分、なおさらだったと思うんです。

「そうですね。僕自身も弟がいるんですけど、映画の泉水と春(のような関係)とは全然違うので、岡田くんとどんなふうに兄弟を演じればいいのか、なかなか掴めなかったです。だから、複雑な事情を抱えた弟に対して、自分だったらどう接するだろうってことを意識して。でも、父親役の小日向(文世)さんが現場に入ってからは、家族の顔がそろって、自分の中で家族像がハッキリとして、スムーズにいくようになりましたね。特に家族3人のシーンでは、小日向さんはカメラテストの時も僕たち兄弟のことをよく見てくれていて“こう動けば演じやすいよ”とか、アドバイスをいただいたり。僕が演じる泉水は弟とか周囲の出来事を受けて行動を起こす役なので、現場での家族の雰囲気に身をゆだねていました」

─演技に悩んでいた本作を含め、加瀬さんはのお芝居は“自然体”だと思うんです。お芝居に対して、いつもどんな心構えを持っていますか?

「役者さんによっていろんなやり方(演技へのアプローチ)があるけれど、その善し悪しは(映画を)観てくれる人や現場の監督が決めるもので、正解はないと思うんです。もちろん自分の好きな演技はあるんですけど、監督がダメと言えばダメだし、自分が観客として映画を観ている時に“こういう演技はしたくないな”って思うことがあっても、監督に要求されればやらなきゃいけない。なので、僕にできるのは監督にいろんなアイデアを提案することなんです。自分がどうこうというより、人の考えを受け入れることのほうが役者に必要とされるんじゃないかと。映画を観て“自然体”と言っていただけるのは、いい監督と仕事ができているからなんだと思います」

─いつも柔軟な気持ちで、作品に臨んでいるんですね。

「そういう自分の考え方がハッキリしていると、監督に“そうじゃないだろ!”って言われたりすると、自分を納得させるまでに時間がかかって、ストレスになることもあります。だけど、新しいモノの見方が生まれる時もあって、その瞬間が楽しいから役者を続けているんだと思いますね」

「重力ピエロ」

監督:森 淳一 原作:伊坂幸太郎 脚本:相沢友子

出演:加瀬 亮 岡田将生 小日向文世 吉高由里子 岡田義徳 渡部篤郎 鈴木京香ほか

('09アスミック・エース)119分

※梅田ガーデンシネマほかにて5/23(土)より全国ロードショー

【関西ウォーカー】

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