“東京とんかつ会議”殿堂入り店が「ポンチ軒」に決定!

山本益博、マッキー牧元、河田剛の食いしん坊3人が美味しいとんかつをもとめて東京中のとんかつを食べ歩き、採点する「東京とんかつ会議」。その中でも3人が太鼓判を押すお店が「東京とんかつ会議・殿堂入り店」だ。ウォーカープラスでは毎回審議の末に決定される殿堂入り店を紹介する連載がスタート。まず第一回の殿堂入り店はこちら!

第一回東京とんかつ会議・殿堂入り店

神田小川町「ポンチ軒」上ロース豚かつ定食1500円

「ポンチ軒」の上ロース豚かつ定食1500円
  • 「ポンチ軒」の上ロース豚かつ定食1500円
東京とんかつ会議メンバー3人による採点表
  • 東京とんかつ会議メンバー3人による採点表

【山本益博評】「“東京とんかつ会議”の原点」

思えばこの「東京とんかつ会議」はこの「ポンチ軒」から始まったのだった。

「とんかつ会議」のコンセプト、評価方法などはこの店で「ヒレかつの一本揚げ」などを頬張りながら、意見を出し合い、会議を進めていった。

「ポンチ軒」から始めた理由の一つには、オーナーの斎藤元志郎さんが、フランス料理出身で、並々ならぬ「揚げもの」の求道者でもあり、その彼に敬意を表することも含め、評議員3人の合意の結果、最初の「とんかつ会議」の店として選んだのだった。その時の評にも書いたのだが、斎藤さんは四谷にあったフランス料理の「オーベルジュ・ブリクール」を閉めた後、熱海の「ラ・ルーヌ」を経て、静岡に「旬香亭」を開いたときから、「揚げもの」は彼のメインテーマのひとつとなっていった。さらに東京での「旬香亭」「フリッツ」で「揚げもの」に磨きをかけ、その集大成ともいうべき店が、神田小川町の「ポンチ軒」なのである。

「とんかつ」に必要な肉、パン粉、油、キャベツ、ソースについては、徹底的に研究し、研鑽を積んでいるから、誰がどんな「とんかつ」を注文しても満足のいく「とんかつ」が食べられる。

今回も「殿堂入り審議」のために3人(マッキー牧元、河田剛、私)で出かけたので三種の「とんかつ」を食べ比べてみた。もし、2人で訪れたならば、「ロース」と「ヒレ」がお薦め、3人以上だったら「ヒレの一本揚げ」は必須のアイテムではなかろうか。「ロース」は脂身が透き通った美味しさでロースファンを唸らせるし、「ヒレ」は香り高くそのジューシーさに驚くはずである。どちらの「とんかつ」も選び抜かれた「スーパー太陽ソース」のウースターがピタリと合う。

もしも、注文があるとすると、御飯をはじめとする定食セットの常連だろうか。「とんかつ」は和食だから、いつでもムラのない御飯が出てくれば、「とんかつ」が最上のお惣菜になるはずである。それに、ランチ時の店内に漂う油煙、食欲を刺激する「香り」の度を超えると「とんかつ」が存分に楽しめなくなってしまう。(山本)

【マッキー牧元評】「昼でも夜でも満席なのにも納得」

2012年7月 東京とんかつ会議の第二回目に登場したのが、「ポンチ軒」である。

当時は開店したてで、夜に訪れたら、客は我々4人だけだったが、今は昼も夜も満席の人気店である。場所柄サラリーマンが多いが、女性客おひとり様もいて、上ロースカツをおいしそうにほおばっていらした。

豚肉はきめが細かく、歯がググッと入っていくと甘さがこぼれる。脂がみっちりとついているが、脂も上質で、噛むとするりと甘い香りを放ちながら溶けて、切れもいい。

ただ惜しむらくは、昼の混雑時ゆえか、やや肉に火が通りすぎで、余熱で最後の方になるとややパサつく。中粗の衣は粗目だが、ふわりと軽やかに揚げられて、衣が主張しすぎることがないが、この肉や脂身を生かすなら、もう少し均一な方がいいように思われた。揚げ切がよく油を感じさせず、下面の網に置かれた部分も蒸れてない。とんかつソースは、なんといっても香りよく、濃いが甘すぎないので肉を生かす。また卓上に置かれた名古屋の太陽ウースターソースも香りよく、その辛さがキャベツの甘みを引き立てる。根菜の香りが溶け込んだ味噌汁、胡瓜と白菜のお新香(以前はナムル風だった)、ふんわりと盛られたキャベツも上等。肉の甘い香りに満ちたヒレもぜひ。特に特製の「ヒレ一本揚げ(夜のみ)」は、その香りの豊かさに驚愕する。(牧元)

【河田剛評】「ヒレを一本丸揚げする棒ヒレを食べてほしい」

旬香亭グループのとんかつ専門店である。

以前は赤坂でブリッツという名の店だったが、神保町の元々とんかつ店だった場所に入って3年ほどになる。とんかつ会議でも2012年夏以来の訪問となるが、すっかり人気店となっていた。

お昼は常に満席の盛況で、時々行列もできていた。そのとんかつは強烈な個性があるわけではないが、どの要素を捉えても欠点が少ないオールラウンダーである。

肉質は13時以降に提供される沖縄県産豚にはやや及ばないものの、赤身の旨味、脂の甘みともに十分である。脂身がかなりの割合を占める場合でも、後味は軽い。衣は中粗のパン粉で、きつね色の揚げ具合と相まって、いわば中庸の魅力がある。

塩や過剰な甘さのないとんかつソースで食べてもいいが、愛知県の太陽ソース(ウスターソース)が肉の味を引き立てる。またキャベツとも相性がよい。ウスターソースは市販品を使用している店が多いが、この水準のものを用意していることはなかなかない。ご飯、お新香、具だくさんの味噌汁も隙がない。夜のヒレを一本丸揚げする棒ヒレは必食である。(河田)

【東京ウォーカー】

【写真を見る】左から山本益博、マッキー牧元、河田剛
  • 【写真を見る】左から山本益博、マッキー牧元、河田剛
■ポンチ軒DATA
住所:東京都千代田区神田小川町2-8扇ビル1階
電話:03-3293-2110
時間:月曜~水曜11:15~15:00、夜の部は休業/木曜~土曜11:15~14:00、17:30~20:30
休み:日曜日、第三月曜日

■東京とんかつ会議メンバープロフィール
山本益博/料理評論家、落語評論家。『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』など料理評論の著書も多数、関連して多くのメディアにも出演している。フランス政府より農事功労勲章オフィシエを授与。自分にとってとんかつとは「人生の友」(山本)

マッキー牧元/株式会社味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。 立ち食いそばからフレンチ、イタリアン、スィーツから居酒屋まで、365日飲み食べ歩き、雑誌、ラジオ、テレビ出演など多岐に渡り活躍中。自分にとってとんかつとは「心の炬燵」

河田剛/1964年生まれ。東京大学文学部卒。大手証券会社で調査業務に従事する傍ら、とんかつ、ラーメンをはじめとして幅広く食べ歩いている。食関係の著書に「ラーメンの経済学」(KADOKAWA)などがある。自分にとってとんかつとは「日本の技術の素晴らしさを実感させてくれるものである」(谷岡)




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