エレファントカシマシ宮本浩次ロングインタビュー[3/9]

「“光”を、歌いたい」
  • 「“光”を、歌いたい」

<第2回より続く>〜10/1(水)新曲「新しい季節へキミと」発売〜

―なるほど、音楽シーンどうこうではなく、自分たちの“映り方”が変化したということですか。変化ということで言えば、先ほども“光”とおっしゃってましたけど、まさに『STARTING OVER』は“光のアルバム”だと思っています。「光を歌う」っていうふうに、ご自身の中で変わって来たっていうことはありますか。前作『町を見下ろす丘』にも“光”の兆しはありましたが、「俺たちの明日」以降は“光”っていうものを実に堂々と歌っていらっしゃるように見えるんですが。

「ま、その、こういう(手で上下に大きな波を描きながら)のはあるんですね。『町を見下ろす丘』のあと、それを踏まえて習作期間を経て、次の段階に行きたいなっていうタイミングで『俺たちの明日』みたいな歌ができた。自分たちの歴史とかいろんなものを踏まえて、正々堂々と歌える歌が作れたっていうのがやっぱりデカいです。本当に、自分たちにとってもタイムリーな時期にあの曲が出せて…。で、おもしろいモンでね、そういう曲はやっぱり、売り上げ云々ていうんじゃなくてね、タイアップが決まってるっていうだけじゃなくてね、コンサートでもみんな歌ってくれるんです。まあ歌ってくれる曲がいい曲ってわけじゃないけど、歌ってくれるぐらいのなにかがある。歌いたくなる曲ってやっぱ、いい曲でさ。なんて言うのかな、“届いて”いるんですよね。で、『俺たちの明日』がスタンスを明快にして、そこからの流れで『笑顔の未来へ』があり『桜の花、舞い上がる道を』があり、今回の『新しい季節へキミと』は仕上げの気持ちです。次の段階に移りつつある、大きな“光”の流れの」

―“光”を、「歌いたい」ということと、「やっぱりみんな光の歌を聴きたいだろう」という“使命感”、リクエストに応えようという思いは、両方あるんですか。

「うーーーーーん、常に『歌いたい』というのはあります。例えば、コンサートっていうのは、みんなだけでも、僕たちだけでも作り上げられない奇跡みたいな空間で、そういう場所でいつも“光”を歌いたいと思う。それがなんなのかちょっと言葉で表現できないんですけど、ま、語弊があると思うんだけども『泣け』たりとかさ、そういうことですね。でもまあ“光”っつってもね、いろんな光があるわけで、例えば『今宵の月のように』という曲は、『いつの日か輝くだろうあふれる熱い涙』と光を歌っていますが、いきなり『くだらねえとつぶやいて』って、力強い始まり方なんですよね。もっと言えば『ガストロンジャー』っていう(編集部注:ハードでストイックな)曲でさえも光を歌っている。で、最近の曲は、同じ光を歌うんでも、もうちょっと憂いのある美しいメロディで、ってまあ自分で言うのもヘンなんですけど、歌詞も、戸惑ってたりとかします。今回の曲は、メロディとの兼ね合いもあって、『俺たちの明日』とも『今宵の月のように』とも違う柔らかい“光の歌”になっていて、非常に素直に、光を求めてるっていうことを歌えた。…その“光”っていうのがなんなのか、なぜ僕はそれを歌いたいのか、いつも胸にあるような気がしてるんだけど、わからない。自分の行きたい道なのか…、ねえ。なにかそういう、光。ええ。なに言ってるかちょっと半分わかんないですけど」

―そもそも「歌う」っていうことは、「光を歌う」ということだと。

「いやそう思うんだよなあ。うん」

―「音楽とは」っていう話にまでなっていくっていう。

「そう。音楽って、光と闇とね、いろんな人の思いが形になったものなのかなって。僕はiPodもすごいなって思うんですけど、少しでもこう、楽しく日々を彩っていくものってなんてすてき、と思うわけですよ。歌も、そういうものだと思う。さっき『使命感』みたいな言い方してくださったけど、僕は、なんかそういう力強さとか、僕らが持ってる誠実さとかを、歌にして届けて……。うん、でもいい曲ってやっぱ、いいですよねぇ」

―はい。

「という思いでやっております」

【東京ウォーカー/滝本志野】

<第4回へ続く>

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