エレファントカシマシ宮本浩次ロングインタビュー[6/9]

「ほんっきで一生懸命作んないと絶対届かない」
  • 「ほんっきで一生懸命作んないと絶対届かない」

<第5回より続く>〜10/1(水)新曲「新しい季節へキミと」発売〜

―宮本さんはずっと大衆性を恐れていない。実は、「わかる人にだけわかればいい」などとは思っていなくて、「大衆的であることにこそ意味がある」と思っている。

「はい、はい、もう狙いまくってるんです信じられないことに(笑)。ファーストアルバムから狙いまくってます。はい」

―そこがすばらしいと思うわけですが、大衆性を恐れないっていうのは20年間ずーっとあって、いまはさらに、何かテクニックで、ストレートかつ大衆的かつ誠実、っていう“仕上げ方”を身に付けたということなんですか。

「いやいやそれだけじゃ届かないです、ま、でもおっしゃりたいことはわかります。その、テクニックっていいますか、手法みたいなものってやっぱりあるんだなっていうことは、『今宵〜』のヒットぐらいから気付きはじめてるわけでございます。でも、やっぱり、ほんっきで一生懸命作んないと人には絶対届かないし、テクニックだけではやっぱり売れないです。ただ、自分が伝えたいことを、精一杯、どうすればいいかっていう“核”、コアの部分っていうのは変わっちゃいけないんですが、サウンドであるとかレコーディング技術、テクニックみたいなもので、ずーいぶんテイストっていうのは変わります。『笑顔の未来へ』は、これどこかで話しちゃったことですけども、非常にカッコイイって評判いい曲なんですが、僕の弾き語りのテープでは人に伝わらなかったものが、蔦谷(好位置)さんのアレンジが付いたら、おんなじ音源ですよ、おんなじ歌です、おんなじギターです、それが、最初は10人のうち5人ぐらいしかカッコイイって言わなかったのが、10人のうち10人がイイと言ったっていう。まったく同じ歌、同じギター、ですよ。レコーディングってそういう面があって、例えばレッド・ツェッペリンは、いつも豪快に一発録りしているように見えて、実は非常に緻密に一曲一曲を録音している。ああいうライブ的な音なのにもかかわらず、積み重ねて作っている。ストーンズもそうです。レコーディングっていうのは、そういう、非常に技術的で計算の必要なものであるってことが、当然ファーストアルバムの時はわからなかった。核は変わらないんだけど、そういうことを知って、見え方聞こえ方は非常に技術的な変化をしている、ということはあると思います。はい」

―蔦谷さんや今回プロデュースされている亀田誠治さんのように、他者がかかわることで「いい作用」が生まれるというのは、年々確信されている感じなんですか。

「ハイうまくいくこともあるし、どんなものもそうであるように、うまくいかないこともございます。これはまた非常に難しい。その時の気分によっても結果は変わりますし、やってみないと、合ってたのかどうかってことはわからないことの方が多いですから。ただ今回に関して言うと、総仕上げとしては非常にパーフェクトなアレンジであると思いますね。はい」

【東京ウォーカー/滝本志野】

<第7回へ続く>

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