エレファントカシマシ宮本浩次ロングインタビュー[7/9]

「探さないといけないです」
  • 「探さないといけないです」

<第6回より続く>〜10/1(水)新曲「新しい季節へキミと」発売〜

―今回の歌詞の話に移りますが、印象的だったのは、「変わる」ということを歌っている。「グラデーション」とか、「変わりゆく東京の街」に「ふたりの姿重ねていた」とか出てきます。変わることを、肯定的に捉えている。これまで、ある意味、エレカシというのは「不変」の象徴で、ずっと変わらない何かを持っていて、それがカッコよくて、ここまで来た。という面があると思っているんですが、そもそも、宮本さんにとって「変わる」ということはカッコイイことなんですか、カッコよくないことなんですかというのをお聞きしたかったんですが。…すみません、少しまわりくどいですか。

「いえ」

―人って、例えば、「あの人変わらないよね」というのが褒め言葉になる時もあれば、逆に「年をとってどんどん変わっていくね」というのが褒め言葉になる時もある。私は雑誌を作っているんですが雑誌もそうで、10年、20年変わらないことがカッコイイのか、時代に合わせて変わっていくのがカッコイイのか、ということをよく考えるんです。

「なるほど」

―例えば、「こういうとこは変わっちゃダメだがこういうとこは変わってもいい」というようなことって、ありますか。

「うーーーーーん、でもなあ…、変わらないよねぇ…、本質的にはねぇ。変わりたいと思うのもありますけど本質的には変わらないですねコレね。うーん、努力と、精一杯やる気持ちみたいなものっていうのは一番大事ですよね、で、それこそ変わりようがない部分です。精一杯、やってくっていうことだと思いますね。はい」

―なるほど、「精一杯やる」っていうことは変わらないけれども、

「やらざるを得ないわけですよ、精一杯やんないと見抜かれますし、変わりようがないです。例えばですよ、僕はもう探さないでいいんじゃないかって思ったんです。これは余談ですけども『すまねえ魂』(『町を見下ろす丘』に収録)という曲があって、『探してた、探し歩いてゐた』っていう歌詞なんですけど、いまあるこの自分が、追いつづけたものだって思いたくなかったから『探してた』んですね。でも、結局いまここにあるものが俺の全部なんだから、と思って『今をかきならせ』(同)という曲を作った。今をかきならせば、もう探さなくていいと。で、『俺たちの明日』で、さあ頑張ろうぜって結論めいて、でもそれもまたスタートだった。『新しい季節へキミと』は、そこからさらに進んで、やっぱり、毎日生きてると結局、なにか表現に触れたりとか、知らない景色を見たりとか、新鮮に見える何かを感じないと、新しく前に行くことってできない。という思いで作ったんですね。そういう意味では人間の変わらなさ、進化のしなさ加減も感じますし、知識みたいなものが豊富になれば失うものも多いから結局変わらない…だから難しいんですけど、でも、『精一杯やる』っていうことしかないんだなって、最近思うんです。探さないといけないです。はい。いろいろ勉強して、博物館行ったり、表現に触れたりして、探さないといけないです。かつて『探し歩いてゐた』俺が、『もう探さなくていい』と思ったあと、また『探そう』と思っている。そういう、“旋回”に向かうグラデーションが、明快に歌われているのが『新しい季節へキミと』だと思います。はい」

【東京ウォーカー/滝本志野】

<第8回へ続く>

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