エレファントカシマシ宮本浩次ロングインタビュー[8/9]

カップリング曲「It's my life」がまたシビれる
  • カップリング曲「It's my life」がまたシビれる

<第7回より続く>〜10/1(水)新曲「新しい季節へキミと」発売〜

―新しいものに触れていくことによって、自分は「変わりたい」?

「『変わりたい』というか…、例えばバンドで言うと、若い時からの4人の関係ってかなりいろいろ変化はあるわけです。長い分、変な話『やめちゃおうか』なんてこともあるわけでございますが、でもまた、結局4人で一生懸命コンサートやろう!と思うことで変化したり。また、例えばエピックソニーの、レコード会社の契約が終了したあとに、自分たちで精一杯歌を作ってヒットが生まれることで、バンドの見え方が変わってきたり。人との関係も、そういうものなのかなって。要するに、変わりたいっていうより、前に進みたい、そのためには“新しいもの”、“光”が必要だということです。ま、極論言っちゃえば、人間はなんにも変わりませんし、砂を噛むような思いで滅びて、死んで、また新しく何かが生まれてくるだけで、なにが進化なのかもよくわかんないですけども。でも、自分は、新しいものに触れて進んでいかないと、立ち止まって倒れてしまうだろう。変わりたいっていうんじゃなくて、新しい季節へ自分たちで向かっていかないと、留まってしまうんじゃないか。だからそういう新しい光を探して、一緒に行こうよって、僕はいつも言っているような気がします。バンドの練習の時にも、友達と話す時にも、そういったテイストの話をします。やっぱり、楽しい思いがひとつでもあったほうが、強い光や、あふれる熱い涙があったほうが、楽しく生きていける。エンタテインメントや、表現や、何でもいいんですけども、なにかそういった明るい光とか、変化っていうよりもっとすてきな明日、希望みたいなものがあったほうが、楽しく生きていける。逆に、僕はどうしてどんな時でも希望を捨てられないんだろうって思ってしまいます。むしろ絶望みたいなもののなかに、光に対する強い思いが生まれてきたりする。そういう、『グラデーション』なんだと思います。変わりたいっていうんじゃなくて、この感じてる光を、さあ、一緒に、形にして、なんだかわからないけど見つけに、探しに行こうっていう。そういうことを求めてるんだという気がします。はい」

―なるほど。変わりたいっていうことじゃなくて、前進するために必要な、燃料、のようなもの。

「うん、あるんだけどそれがなんなのかはわからないんだけど。でもそうやって進んでいけば、またまた、すてきなことが絶対あるんじゃないかっていう思い。その“思い”なんだと思います」

―あの、年齢のことを宮本さんはよくおっしゃいますが、年を取るのは、イヤですか。

「うーん、まあでも、2つに分けるとしたら、自分はやっぱり歌手でございますし、人前に立って歌うわけですから、一番思うのは……、タバコを止めなければいけないということです。歌を大事に歌っていくうえで、声っていうものを最近意識していて。昔はもっと乱暴に歌ってました。でも自分の声の変化で、年齢を実感することはありますし、歌のことを考えるとやっぱり……。ま、でもしょうがないすからねぇ!ええ、しょうがないすこれは。ええ」

―人間の声も不思議なもので、私は宮本さんのいまの声が一番すてきだと思います。

「あ! そうですか、ありがとうございます。すごくうれしいですねそれは。うれしいです。いまの声イイですか。ま、でも丁寧に歌うようにしてますし、うん」

―今回のカップリング曲なんてすごくいいですよね。首都高ドライブの曲。

「あっ! そうですか! うーーーん!」

―歌詞の内容もすごくこう、

「おもしろいですよね、うんうん」

―で、前進するということイコール年を取るということでもあるわけで、

「うーーーん」

―年を取るのもイイもんだよなっていう言葉を、実は引き出したかったんですけども。

「なるほど、はい」

―「扉の向こう」(04年、アルバム『扉』の制作過程を追ったドキュメンタリーフィルム)で、メンバーの皆さんに、「中年のよさを出してよ」っておっしゃっている、あれ。

「あぁ(笑)、はい。まあねぇ〜、変化していくものだとは思いますね。自然にね。しぜ〜んにそういうふうになっちゃってると思いますね。そのうえで、無理を、いや、無理とも違うんだけど、そのときの精一杯をやらなきゃって思いますね、月並ですけど。40歳、50歳、60歳、どうなるかわかりませんけど、精一杯やるっていうことに変わりはない」

【東京ウォーカー/滝本志野】

<第9回へ続く>

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