岩井俊二監督が元・助監督の行定勲監督を「僕の片腕でした」と賞賛

行定勲監督と岩井俊二監督がトークショーに登壇
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大ヒット中の『ピンクとグレー』の行定勲監督と、『リップヴァンウィンクルの花嫁』(3月26日公開)の岩井俊二監督によるスペシャルトークショーが、2月11日にApple Store,Ginzaで開催。岩井監督は、自身の監督作『Love Letter』(95)や『スワロウテイル』(96)に助監督として参加していた行定監督について「いちばん監督デビューしてほしくない片腕でした」と当時を振り返った。

岩井監督は行定監督について「いなくなってから大変で、けっこう苦労しました。特にキャスティングの才能が抜群で、彼のその後の監督作にもそれは反映されている」と評価した。

行定監督も岩井監督について「日本映画を変える人になると思っていた」と明かし、「ドラマ『GHOST SOUP』の時、岩井さんから『行定はいつか映画監督になるんだろうから、それまではうちでやってよ』と言われて。現場では必死だったけど、その言葉が支えになっていた」と岩井監督へのリスペクトの念を打ち明けた。

岩井監督は、行定監督をデビュー後も見守っていたようだ。「すごい作家性のきつい男で、上手くやれるんだろうかという心配はあった。エドワード・ヤンやホウ・シャオシェンが日本でデビューする感じで。彼は、自分のテイストとエンターテインメントを合わせ、こだわるところはこだわり続けている」。

『ピンクとグレー』については「1つの到達点かなと思って、先輩の視点としては感無量だった」と称え、話題となっている62分後の衝撃についても「発明だった。いままで見たことがなかった。あまりにも良くできたトリックだったのでびっくりしました」と感嘆した。

行定監督は、娘が岩井監督の『スワロウテイル』を観て感動したというエピソードを披露。「娘と2人で朝まで観たけど、すごいなと改めて思った。真似しようとしている人はいっぱいいるだろうけど、あの感じにはならない。岩井さん自身が孤高に見えてくる。岩井さんはけっこう社会派で、今を切り取っているはずなのに、決して古くならない」と感心しきりだった。

さらに行定監督は、『リップヴァンウィンクルの花嫁』について「3時間と聞いた時、やらかしているなと思ったんですが、意味のある3時時間がちゃんとあった。ここまで純度の高い映画はないんじゃないかなと。僕が思っている岩井俊二の世界があった」と熱を込めて語った。

『ピンクとグレー』は、NEWSの加藤シゲアキの同名小説を、Hey! Say! JUMPの中島裕翔や菅田将暉を迎えて映画化した行定勲監督作。芸能界の嘘とリアルを描く。『リップヴァンウィンクルの花嫁』は、黒木華や綾野剛を迎えた岩井俊二監督作。ごく普通の派遣教員のヒロインが、人生の紆余曲折を経ていく姿を丁寧に描く。【取材・文/山崎伸子】

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