【本誌連載の拡大版!】“うっちー”インタビュー(1)絶好調! セ首位打者はハマのキラ☆

笑顔がさわやかすぎる! 超好青年です
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今季、悲しいながら最下位に甘んじている横浜ベイスターズ。そのチームの選手が、セリーグの首位打者に立っている! しかも右打者の歴代最高記録(99年ローズの3割6分8厘5毛)にも迫ろうという勢い。その選手とは、内川聖一選手、26歳。昨シーズンまではシーズン通して活躍したことがなく、規定打席に達したことがなかったのだから、これはもう大変身だ!

「うっちー」と呼ばれ、選手からもファンからも親しまれている内川選手の絶好調の秘密に直撃インタビューした。

――9月13日には打率が3割8分に到達するなど、シーズンを通してバッティングが絶好調です。改めてその秘密を教えてください。

「自分の中で自分を知ったことですね。試合前にここだけは抑えておけば間違いない、というポイントが自分の中で見つかったのが大きいです。去年までなら調子がいい時は相手投手が投げるボールをただ打っていただけなんですけど、ことしは自分の打撃のどこがよくて、どこがいけないのか、という違いを理解しているんです」

――そのポイントというのは。

「技術的なことで言えば、まずは右ひじと右ひざを一緒に始動させることですね。上下がバラバラになるとどうしても反応が遅れるので、右ひじと右ひざが一緒の動きをしてスイングに入っていく。もちろん、このままだと支点がないままただ回ってしまうことになるので、右が動くことによって今度は体の左側が戻ってこないといけない。そうなると左右からの力の合わさるところがひとつになります。そのポイントで強い力が生じるので、そこで打とうというのを心がけるようにしています」

――ほほぅ。かなり専門的ですね。ひらめいたのはいつごろですか。

「春のキャンプ期間中です。正直、バッティングが苦手という意識もないし、いままで自分がやってきたことをただやろうとしていたんですけど、杉村コーチと波留コーチから『お前の欠点はどうしても泳いで前のポイントで打ってしまうこと。そうすると一番脆い形になってしまう』と初めて指摘されて。それじゃいけないと気付き、それならばもっとボールを引き付けて体の中心で強く打とう、と心がけたんです」

――イメージはつかんでも、それを実際の試合で実践するのは苦労を要したのではないでしょうか。

「試合前の練習で、去年まではマシンで速いボールをただ打っていたのを、人に投げてもらった遅いボールを打つようにしたんです。遅いボールだと引き付けて強く打たないと飛びませんから、その練習がいまの自分のバッティングにつながっている感じはありますね。フワッと投げてもらったボールを、右足に体重を乗せた状態で待ちながら力を入れて打つという感じです。正直、最初はどうなるかなという不安の方が強かったけど、これまでずっと中途半端なシーズンを送ってきたので何かを変えなきゃいけない、そろそろ結果を出さなければこのまま中途半端な選手で終わるんじゃないかという恐怖感というか危機感があったので。もうやるしかないという思いでした」

――9月に入ったいまも遅いボールを打つ練習はしているんですか。

「いまも継続しています。ことしは1年間徹底してやってやろうとコーチと話していますし、自分の中でも決めていたことですから。試合前の全体練習の前に室内練習場で打っています。横浜スタジアムでの試合だとプレーボールの6時間前には来ています。まず昼食を食べて、1時ぐらいから遅いボールを打つ練習をしています。その後にチーム練習が2時半から4時ぐらいまで、というスケジュールですね」

――絶好調の陰に血のにじむような努力あり、というわけですね。

「現役時代に練習するのは僕たちの仕事だし、当たり前のことなので、正直、それが努力だとは思ってないですよ。僕だけがやっていることじゃないですから。ただ、今シーズンにヤクルトから来られた杉村コーチに敵チームが自分をどう見ていたかを教えていただいたことで、新しい視点から自分というもの見ることができたのは非常に大きかった。運や人との巡り合わせというものも結果につながっていると思います」

――杉村コーチと巡り合い、さらにプロとしての仕事の積み重ねてきた結果が9月半ばになっても首位打者を独走する結果を生んでいるんですね。

「去年までシーズン規定打席(446打席=9月11日にクリア)にも到達したことがないですし、僕自身、どのぐらいの打率を目標にするとか、どれぐらいヒットを打ちたいという目安がないんですよね。いままで何シーズンもコンスタントにプレーしてきて、だいたいこれぐらい打つというのが分かればそれを超えようという目標が生まれると思うんですけど。僕には目安というものもないし、本当にいまはできるだけ打とう、打率もできるだけ上げよう、ヒットの本数もできるだけ増やそうという気持ちの方が強いのが本音ですね」

→その(2)に続きます。

◆横浜ベイスターズ
http://www.baystars.co.jp/

◆内川聖一
うちかわ・せいいち 1982年8月4日、大分市出身。大分工高から00年ドラフト1位で横浜ベイスターズ入団。8年目の今季に才能が開花。右投げ右打ち

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