「仮面ライダーBLACK」倉田てつを、時代劇でもライダーに変身?

「仮面ライダーBLACK」で主役・南光太郎を演じた倉田てつを
  • 「仮面ライダーBLACK」で主役・南光太郎を演じた倉田てつを

“昭和最後のライダー”である「仮面ライダーBLACK」で、主役・南光太郎を演じた倉田てつを。彼が20年間封印していたという“仮面ライダーになった男”の苦悩を前後編に分けてお届け!後編では「仮面ライダーBLACK」終了後の苦い経験に迫る!

BLACKの話は20年間イヤでした…

――「仮面ライダーBLACK」は、演技の要求が高くスケジュールもハードで、本当に大変な現場だったんですね。

だから実は「BLACKが終わったら、もう俳優はやめようかな」と思いながら撮影してました。

正直、毎日が辛かったんですよ。

僕のNGのせいで時間が押してしまうことも多かったし、現場が怖かったです。

撮影が12時間だったら12時間、まったく平常心ではいられない状態…。

撮影中、スタッフから遠く離れた場所まで行って叫んだりしてましたね。自分への怒りとフラストレーションを吐き出すために。

――そこまで…。しかし、今でも俳優を続けています。

BLACKの放映中にイベントで会ったファンの子がきっかけなんですよ。

札幌市民会館でやったイベントに、車いすの女の子が来ていて。

「交通事故にあってリハビリ中なんです。病院で毎週見ているBLACKに勇気をもらっています」と言われ…。

「大した人生じゃない僕でも人に夢を与えられるなんて、俳優はいい仕事だな」って思いましたね。

俳優を続ける覚悟をしました。

――なるほど…。その決意どおりBLACK終了後も俳優として活動。1年半後にNHK朝の連続ドラマ「君の名は」(91-92年)の主役・後宮春樹役にオーディションを勝ち抜いて決定を。

そうなんですよ!

今でも、どこに行ってもBLACKのことしか聞かれないんですけど、実は“朝ドラ”の主役もやってるんです(笑)。

そもそも「君の名は」に出演中も、BLACKのことばかり言われて、困っていて。

後宮春樹役としてプロモーションでサイン会に行ったら「“南光太郎”って書いてください」って人がたくさん来たし。

「君の名は」の宣伝で取材を受けても、途中で記者の人が「BLACKのときはどうでしたか?」って聞いてくるんです。

それを、同席しているNHKの広報さんが「それは話が違うんで」とストップする感じでした。

――BLACKのイメージが強すぎたと…。

「君の名は」で1年間春樹を演じた後も、結局「倉田てつをといえば仮面ライダーBLACK」のイメージで固まってしまいました。

時代劇に出演し、撮影中にちょんまげをつけている姿でも、他の俳優さんに「変身ポーズやってよ」と言われてしまう状況で(苦笑)。

今だから笑って話せますが、当時は本当にイヤでしたね…。

――いつ頃まで?

もう、ずっとです。

今47歳なんですが、40代になってやっとイヤじゃなくなりました。

――約20年間イヤだったと…。

こういった取材でも「ライダーの話は一切やめてください」とお願いして、BLACKのことは封印してました。

若い頃って、ツッパリたいじゃないですか?

「俺には『君の名は』という朝ドラの代表作もあるんだぞ」って思いがあったんですよ。

――どのような心境の変化で、今は大丈夫になったんでしょう?

40歳を超えて、考え方が変わったんですよ。

「多くの人が好きでいてくれるのに、僕がノーというのは違うんじゃないかな」と気付いたんですよね。

藤岡弘、さんも、いろんな作品やってるけど“ミスターライダー”じゃないですか?

僕も胸を張って「俺はBLACKだったぞ」と言うべきだなって。

――年齢とともに吹っ切れたと。

40歳が区切りだったんですかね。

他にも「もっと色々なことにチャレンジしたい!」という思いが出てきたり。

普通なら40歳を超えて50歳も近づいてくると、「今失敗したら、取り返せないんじゃ…?」って考えがちですよね?

でも、そんな今だからこそ失敗を恐れずに前へ進むことが必要で、それが老け込まないヒケツなんですよ。

BLACKで小林監督に怒られていたときもそうですけど、OKが出ない…つまり“失敗”という状態は、視点を変えれば「まだ伸びしろがある」ということですよね。

だから、何度失敗してもそれを“活力”に、挑戦を続けていきたいですね。

(※この記事は「週刊ジョージア」の「ほろ苦インタビュー」から抜粋したものです。全文は「週刊ジョージア」<https://weekly-g.jp>でご覧いただけます)

【週刊ジョージア】

WEBマガジン「週刊ジョージア」で全文を読む方はこちら!(無料/登録不要)

関連記事



倉田てつを●くらた・てつを。68年生まれ、東京都出身。代表作は「仮面ライダーBLACK」「君の名は」など。

構成/questroom inc. 撮影/中村文隆

キーワード

関連記事

[PR] おすすめ情報