「精霊の守り人」原作者が実写化を認めた理由!

「精霊の守り人」原作者・上橋菜穂子を直撃!
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綾瀬はるか主演の放送90年 大河ファンタジー「精霊の守り人」(毎週土曜夜9:00-10:00、NHK総合)。NHKの放送開始90年を記念して、3年にわたって放送される超大作は、女用心棒・バルサ(綾瀬)と体に精霊の卵を宿したことから父・帝(藤原竜也)に命を狙われる王子・チャグム(小林颯)の旅を描いている。

原作は世界的に人気を博す長編ファンタジー。シリーズの生みの親である上橋菜穂子は、文化人類学者としての知識を生かして、人間と精霊が共存する異世界を作り出した。そんな上橋が、実現不可能といわれてきた同作のドラマ化を認めた理由を語った。

――ドラマ化のオファーを受けた時の感想はいかがでしたか?

これまでもドラマ化のお話はありましたが、この本の世界を実写化するのは難しいと思っていました。そして、これまで来たオファーはシリーズ第1巻「精霊の守り人」のみをドラマ化するというものでした。でも、このシリーズは最終巻までいくと、全く違う作品になる。だから、その全てを描けたら面白いのにと思っていました。

しかし、今回はまさにシリーズ全10巻、そして外伝2巻すべてをドラマ化するという話でした。「本当にできるの?」とも思いましたが、さまざまな国に舞台を移しながら、全編を通して一つ貫かれているものがある、そんな物語が日本でできるなら、一観客として見たいと思いました。

読者からは「イメージと違うものができるかもしれないのに、なぜ実写化を受けるのか」と聞かれたこともあります。でも、完全に同じイメージの人なんていないんです。みんなが同じイメージを持っているなら、ドラマ化したものを“ここが同じか、違うか”ばかり見てしまうでしょう。

そうではなくて、原作を飲みこんで消化して、意味を持って変えてもらっている。だから私自身も好きなテレビドラマを見ている感覚で見られるんです。原作の読者にも、それを味わってほしいです。

――完成した作品を見ての感想はいかがでしたか?

実は、「バルサを綾瀬さんで」という話は何度もいただいていたんです。どういうバルサになるのだろうと思っていましたが、出だしのシーンを見て「若いな」と思いました。すでに人格が出来上がっている原作のバルサに比べて、少年っぽさを感じました。

でも、それは制作の意図でした。この作品は完結するまでに、現実世界でいえば3年、物語の中では5年が経過します。だからこそ、“成長と変化”がキーワードなんです。バルサも物語の中で人生経験を積んでいく。だから、ここから変わっていくんです。

ただ、綾瀬さんは肌がきれいな印象が強いので、メークで肌が真っ黒になるのはもったいないんじゃないか、と思いました(笑)。綾瀬さんにそう言ったら、「私、泥だらけになるの好きなんです!」とおっしゃっていましたが。

――バルサ以外のキャラクターについてはいかがでしたか?

私も、キャスティングの話し合いに参加させてもらって、キャラクターごとのイメージをお話しました。

特にイメージ通りだったのは、(バルサの養父で短槍の達人)ジグロ役の吉川晃司さん。男らしくて、槍を使うと格好よかったです。そして、幼少期のバルサと一緒に逃げるシーンがあるのですが、子供相手だと無限の優しさが出るところが良かったですね。(バルサの幼なじみ)タンダ役の東出昌大さんは、昔、私が描いたイメージの通りだったので驚きました。

イメージと違ったという意味で驚いたのは、(星読博士の)シュガ。林遣都さんが演じるシュガは、好奇心旺盛な若者という感じで、制作側の解釈に驚きましたね。

また、チャグムの母・二ノ妃(木村文乃)は色気がすごくて、「おいおい…」と心の中でツッコんでしまいました(笑)。でも、母の顔と女の顔をうまく使い分けていたのが印象的です。

それに、聖導師の平幹二朗さんは、さすがベテラン俳優といいますか、場を作る存在感に圧倒されました。チャグム役の小林颯くんをはじめ、子役たちの演技もすごくいいんです。今の子役はすごいですね。

――美しい衣装やセットにも目を奪われましたが、どんな印象を持ちましたか?

第1話で描かれた下町は、すごく猥雑な雰囲気を醸し出しているのですが、よく見ると着ている衣装がさまざまで多民族が集まっているということを感じさせます。制作に申し訳なかったのは、映像化するときは、私の想像で書いた異世界を、人々が着ている服の色に至るまで全て現実化しないといけないことです。

すると、衣装からどこの国の服に近いと感じてしまうんですね。これを、どこの国とも違うように見せる苦労は大変なものだったと思います。出来上がったものは、各国の着物を混ぜこぜにしながらも、どことなく私たちが慣れ親しんだアジアを感じさせる。そこに心血を注いでくださったことに感謝しています。

――今後、一番楽しみにしているシーンはありますか?

私は血の気が多い人間なので、アクションシーンは楽しみです。それ以外にもたくさんありますが、「闇の守り人」で書いた、バルサと闇の守り人との“槍舞”は見たいですね。

それぞれの技が粘りつき、絡み合って、舞のように見えるというのを実写化したらどうなるのか気になります!

放送90年 大河ファンタジー「精霊の守り人」
毎週土曜夜9:00-10:00
NHK総合で放送

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