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「巨人の星」星飛雄馬の球速を科学で検証!“戦闘機並み”のマッハ2.8だった!!

週刊ジョージア 2016年3月30日 7時00分 配信

「『巨人の星』の星飛雄馬は、家に開いた穴を通して屋外の木にボールを当て、同じ軌道で跳ね返します。どんな仕組みですか?」という読者からのギモンに、我らが空想科学ラボ主任研究員の柳田理科雄がお答え!

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P.N.Aちゃん、懐かしくもうれしい質問ありがとう!

木を使った一人キャッチボール。

これは不朽の名作「巨人の星」の連載第2回に出てきた印象的なシーンだ。

昭和32年12月、長島茂雄(※当時は実在の彼も「嶋」ではなく「島」)の巨人入団パーティの席上、長島の顔めがけて野球ボールが飛んできた!

ボールは鋭く曲がり、隣にいた川上哲治の右手に収まる。

それは戦前「史上最高の三塁手」ともうたわれた星一徹が、戦争で壊した肩を補うために編み出した「魔送球」の球筋であった。

これを投げたのは、一人の少年。

川上は「一徹の息子に違いない」と直感し、逃げる少年の後を追う。

一徹の才能を認めながら、「魔送球は投手のビーンボールと同じだ」という理由で、彼を巨人から追放したのも川上だったのだ。

少年が入っていった長屋の一室では、一徹が大酒を飲み荒れていた。

あまりのすさみように川上が愕然(がくぜん)としていると、壁に開いた穴から、ボールが飛び出してくる!

そのボールは木の幹に当たると、同じ穴を通って家の中に戻っていく!

川上が穴からのぞくと、先ほどの少年が、一人でキャッチボールをしているのだった……!

その少年の名こそ、星飛雄馬。

後に、熱血と根性の塊として、昭和の日本に名を轟かせる人物である。

この一人キャッチボールは、飛雄馬の驚くべき才能を表す象徴的なエピソードだった。

しかし、これは実現可能なことなのだろうか!?

根性に不可能なし!

かつては、塀などを相手に一人でキャッチボールする少年の姿をよく見かけたものだ。

だが、塀との間に穴の開いた壁があり、その穴を通過させながらのキャッチボールとなると、これは至難である。

マンガでも、川上哲治が、壁の穴から何度も出たり入ったりするボールを見ながら、こう言っている。

「コントロールとスピードにわずかでも狂いがあれば……もとの方向には跳ね返らん」

まさに「打撃の神様」と呼ばれた川上の言うとおりだ。

壁の穴は、ボールの大きさギリギリだったし、室内の飛雄馬は、壁から3mぐらい離れていた。

壁から木までは、その2倍の6mはありそうだった。

つまり飛雄馬は、距離9mのキャッチボールを、往復の軌道をまったく変えずに繰り返していたのである。

驚くべき飛雄馬のコントロールだが、現実的に考えるなら、障害となるのは「地球の重力」だ。

地球上で飛ぶ物体は、重力に引かれて軌道が下向きに曲がる。

また、ボールは何かに当たって跳ね返るとき、必ずスピードが落ちるから、軌道はさらに下向きになる。

どんなにコントロールがよくても、この問題は避けられない。

来たときと同じ穴を通ってボールが返っていくなど、通常は考えられないのだ。

では、飛雄馬はなぜそれを実現できたのだろうか?

野球ボールの直径は72mmだから、ここでは壁の穴が直径74mmだったと考えよう。ボールが穴の真ん中を通るとき、周囲に1mmの隙間があることになる。

その場合、許されるコントロールの誤差は、指先の位置にして0.03mm。髪の太さの3分の1だ。

そして、要求されるスピードは時速3400km=マッハ2.8!

このスピードで投げれば、重力に引かれて落下しても、木にぶつかってさらに落下しても、戻ってくるまでの落差は1mm以内で済む。

川上はこのとき飛雄馬を見て「10歳くらい」と言っていた。

小学5年生でマッハ2.8!

その後、ジャイアンツで活躍したのも当然ですなあ。

それを打ち返した!

驚愕(きょうがく)のシーンは、さらに続く。

前述の分析をした川上は「バッティングの場合にも、わずかでもミートが狂えば、ボールは狙った方向に飛ばない」と言って、落ちていた薪(まき)を拾うや、それをバットに、飛雄馬の一人キャッチボールを打ち返した!

打球はスパンと穴を通過し、室内へ!

この人、本当に神様ではないだろうか。

当然だけど、飛雄馬は驚く。そして、こう言った。

「ひゃあっ、さ、三倍も早くもどってきたっ」

なにっ、3倍!?

マッハ2.8の3倍はマッハ8.4だよ!

その後、ボールはギューンと曲がり、酔っぱらって寝ていた一徹の顔面に近づいていく。

だが、次の瞬間、一徹はボールを取って、一塁への送球動作に入っていた……!

いや~、びっくり。飛雄馬も川上も一徹もスゴ過ぎる人々だ。

科学的に考えても、「巨人の星」はこのエピソードによって、これからどんなマンガが始まるかを宣言したと言えるのである。

【週刊ジョージア】

著/柳田理科雄(やなぎた・りかお)●空想科学研究所主任研究員。代表作に「空想科学読本」シリーズ。また、各地での講演、ラジオ・TV番組への出演なども精力的に行っている。

関連書籍/「空想科学読本」(KADOKAWA)●漫画やアニメの世界の出来事を科学的に検証するベストセラーシリーズ。16弾は「新世紀エヴァンゲリオン」から「弱虫ペダル」まで人気の35作品を扱う。予想もしなかった爆笑の結論が続々!

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  • 地球上で飛ぶ物体は、重力に引かれて軌道が下向きに曲がる

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