大友啓史×小栗旬が仕掛ける『ミュージアム』の現場に潜入!

じっくり話し込む、大友啓史監督と主演の小栗旬
  • じっくり話し込む、大友啓史監督と主演の小栗旬

マンガファンを騒然とさせた巴亮介氏の同名サイコスリラーコミックを、小栗旬を主演に迎え『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督が映画化した『ミュージアム』(秋公開)。警視庁捜査一課の沢村久志刑事(小栗旬)は、雨の日だけに起きる連続猟奇殺人事件を追うが、やがて自らの妻子が次のターゲットにされてしまう。真相に迫る沢村は、“カエル男”と呼ばれる犯人のワナに翻弄されていく。本作のクランクアップ間近の現場に潜入し、大友監督に話を訊いた。

本作の撮影は昨年11月初旬から約1か月半の間、新潟や神戸、大阪、東京などで行われた。この日は、小栗旬扮する刑事・沢村が、“カエル男”の自宅に踏み込むシーンの撮影。銃を構えた小栗の心拍音すら聞こえそうなほど、緊迫した長回しのシーンだ。カットがかかると、監督と小栗がモニターをチェックしながら話し込む姿も見られた。

「このテーマでやるなら、ぜひ小栗君とやらせてほしい、そう思いましたね。彼とは以前から一緒に仕事をしてみたかったんです」と語る大友監督は、「彼は、日本の俳優にしては珍しく、肉体で考えることのできるタイプ。“体感”することが、いかに役としてのアウトプットに影響するかに気づいている。褒められると居心地が悪そうだし、手放しに褒めることはやめておきますが(笑)、極限まで追いつめられる沢村役を非常に良く体現してくれています」と、小栗との仕事に充実感をにじませる。

また、大友監督は「ガジェットにこだわり抜いた『秘密 THE TOP SECRET』で足を踏み入れた“特殊造形”という世界を、この映画でさらに押し広げたい」とも語る。入り組んだ廊下と薄暗い建物は、すべてがゼロから造り込まれたセット。カエル男の“作業場”にはあちこちに残虐な写真が貼られ、死体を処理する台座、パーツごとの人物模型、古びたハンダゴテやドリルなど物騒なものが並ぶ。SNSを中心にクチコミでその過激さが話題となった原作がどう映像化されるのか、注目度の高い本作だが、このセットを見ただけでも、十二分に期待してよさそうだ。

ショッキングな描写が注目されがちな『ミュージアム』だが、一方で、本作の魅力は別なところにもあると監督は明かす。

「カエル男は被害者を徹底的に調べあげ、母親を大事にしなかった人には“母の痛みを知りましょうの刑”を与えるなど、ターゲット一人一人に見合った異なる刑罰を与えていきます。手口自体は残虐なものですが、倫理的に『それでいいの?』と思わせられるような、ある種のやましさを持った人たちがターゲットになっている。現代の世相を皮肉っているようなメッセージを原作に感じたんですね。作家がきちっと時代に向き合い、呼吸を合わせてこのマンガを描いている気がします。そういうことを大事に、日常に転がり落ちている風俗描写や、今という時代を丁寧にすくいとりたいと思っています」

尾野真千子、野村周平ら実力派俳優の参戦も発表されたばかりの本作。日本映画の限界に挑み続ける監督ならではの、野心作に仕上がりそうだ。【Movie Walker】

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