トクするのは企業?お客?増える“無料配布”イベント

行列ができたコ「コールド・ストーン・クリーマリー」の六本木店。他店でも行列だった
  • 行列ができたコ「コールド・ストーン・クリーマリー」の六本木店。他店でも行列だった

最近“無料配布”というニュースが多い。以前ならサンプリングといえば、通常の商品よりサイズが小さい試供品だった。ところが最近の無料配布は、商品そのものや、それ以上の品を配布するというものが増えている。

例えば、東京・銀座にある仏の老舗ジュエリーブランド「モーブッサン」では6/1に5000円相当の0.1カラットのダイヤモンドを総額2500万円分にあたる5000人に無料配布。朝から長蛇の列ができテレビなどで話題となった。7/24に発売されたイオンの「トップバリュ 麦の薫り」は、発売前日から合計1万本を無料で配布するキャンペーンを実施。第一弾のサンプリング場所、スペース六本木では4000本を用意し、夕方までになくなったという。

どうしてこんなにも無料配布が増えているのか。多くの企業のPR活動を手がける電通PRのPRイベント部長・古川さんによると「昔は試供品の配布が多かったが、“商品自体”を配るという手法は確かに増えています。配るモノ、配り方などを工夫して、単にサンプリングだけでなく、サンプリング自体をニュース化させ、どれだけテレビやウェブなどの媒体に取り上げられるか、ということが重要」だという。昨今の不況でテレビや新聞など広告を出す企業が減っていると言われているが、“無料”と銘打つことでマスコミの目を引けば、企業側も“タダ”で宣伝できるということなのだ。

しかし商品自体を配って、実際に企業は儲かっているのだろうか?

最近、“無料配布”を実施したのは、マクドナルド。7/24〜7/30の午前8:00〜9:00に、関東圏のみでコーヒーを無料提供した。まだ同社の コーヒーを飲んだことのない人を1番のターゲットにし、「昨年から導入したプレミアムローストコーヒーのおいしさをもっと多くの方に知って頂くため、無料提供をさせて頂きました」と広報。今後足を運んだり、客がほかの商品を購入することで、今回のキャンペーンの効果が得られると考えているという。ちなみにエリアの拡大は関東での反響などをふまえて判断するとのこと。初日からかなりの数の利用客があったとのことで、地方在住者は今後の展開に期待したいところだ。

一方、“プロダクト・ドロップ”と銘打ち、もともと新店舗オープンの際に近隣などに商品を無料配布する文化をもっているのは、アイスクリーム専門店「コールド・ストーン・クリーマリー」。同店では5/20に「フリー“クーリーズ”デー」を開催。なんとフローズンドリンク“COOLLY’S(クーリーズ)を全国の全店舗(1店舗を除く)で丸1日無料配布した。昨年新発売したクーリーズの新フレーバー導入を機に、全国で一斉に無料配布をすることにしたという。「当日は他のメニューはすべて停止しました。全国で約5万人が来客し、最長3時間待ちの店舗も。おかげでクーリーズをより多くの人に知っていただき、昨年の1.2倍の売上になっています」と広報。この好評を受け、従業員が“来年もやろう!”と意気込んでいるそうでモチベーションアップにもつながっている。

タレントを起用したCMなら枠にもよるが通常、億単位の費用がかかる。広告費より安く抑えられ、さらに客が喜び、リターンを見込めるとあれば、企業にとってうれしい販促方法ということだろう。8/1にはドールが東京・日比谷で「スウィーティオパインの日」としてパインと生パインのアイスを810人に配布した。「ドール商品の話題化と伴に試食体験による口コミ効果を目指して今回サンプリングイベントを行いました」と広報。同社は明日8/6(木)にも「バナナの日」でバナナの無料配布を行う予定だ。

不況で“無料”という言葉に弱い私たち消費者が踊らされている感も否めなくはないが、増え続ける“無料配布”イベント。消費者的には理由はさておき、タダで試せるチャンスは多いほどよいというところだろうか。【東京ウォーカー】

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