今までのディズニーとはちょっと違う!?『ボルト』の制作裏話

『ボルト』の生みの親、クリス・ウィリアムズ監督(左)&バイロン・ハワード監督(右)
  • 『ボルト』の生みの親、クリス・ウィリアムズ監督(左)&バイロン・ハワード監督(右)

いよいよ本日(8月1日)公開のディズニー新作アニメ『ボルト』。実は、アニメーション作りの過程が今までのディズニー映画とはちょっと異なっていたのだそう。その秘密を探るべく、2人の監督にインタビューを実施!

『ボルト』の製作を担当したのは、ご存じウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ。クリス・ウィリアムズ監督とバイロン・ハワード監督は、完成した『ボルト』のストーリーを引っ提げて“兄弟会社”のピクサー・アニメーション・スタジオを訪ね、現場のスタッフに率直な意見を求めた。

ピクサーと言えば、『トイ・ストーリー』(95)で世界に先駆けて3DCGアニメを製作し、その後も『ファインディング・ニモ』(03)や『ウォーリー』(08)など数々の感動作を世に送り出してきたアニメーション制作会社だ。

ウィリアムズ監督「ストーリー作りの才能豊かな彼らからフィードバックを受けるというのは、とても興味深い体験だったよ。何か特定の指示を受けるわけじゃないんだけど、自分たちが伝えた物語の内容に対して、彼らは色んな疑問や質問を投げかけてくるんだ」

ハワード監督「例えるなら、僕らが作り上げた“船”にピクサーの人たちがひとつずつ“穴”を開けていく感じかな。彼らは船を沈ませようとちょっとずつ穴を開けていくんだ。でもそれは全部、より強固な船に修復するためのアイディアなんだよ。『ボルト』はそうやって試されていったんだ」

実は、この“ピクサーに意見を求めた”というのが、今までのディズニー映画とちょっと違うところ。本作は、ピクサー・アニメーション・スタジオの創立メンバーで、「トイ・ストーリー」シリーズをはじめ多くのピクサー作品を手掛けてきたジョン・ラセターが、プロデューサーとして本格的に関わった初のディズニー映画。そのため、彼の配慮によって、2つの制作スタジオの現場同士の交流が実現したのだ。

ハワード監督「ジョンはディズニーに革命を起こしてくれたよ! 彼はチームを作りあげる才能に長けていて、僕たちにとても開放的な環境を用意してくれた。制作過程の中でも、キャラクターデザインから脚本、音楽まで全てに関わって、彼の経験則から色々なことを助言してくれたよ」

ウィリアムズ監督「ジョンほどアニメーションに対して強い情熱を持った人に僕は今まで出会ったことがないよ! ジョンの情熱は周りに伝染するんだ。彼は僕らに『どうして自分がこの仕事をしているのか』ということを思い起こさせてくれた。本当に素晴らしい上司だよ」

ジョン・ラセターを「真のプロフェッショナル!」と絶賛するウィリアムズ監督は、そのラセターにストーリー作りの才能を認められ、本作の監督に抜擢されている。

ウィリアムズ監督「ストーリーを作る上で大切なのは、中心となるテーマを常に意識しておくこと。どこかでちょっと迷ったり、行先を見失ってしまったときは必ず物語の“核”となるテーマに戻って、何を伝えたかったのか自分自身に問い直すようにしているよ。『ボルト』の場合は“信頼”がそのテーマになっているね。そして、それができたら、物語をよりおもしろくするために自分たちで船に“穴”を開けるんだ(笑)」

ハワード監督「僕らが穴を開けなくても、必ず他の誰かが開けてくれるけどね(笑)」

ウィリアムズ監督「そうそう。アニメーションの世界には“穴開け”が得意な人たちがたくさんいるんだよ!」

ハワード監督「映画の批評家や評論家は穴開けの“プロ”だからね」

ウィリアムズ監督「頑丈な船を作っておかないと、公開後に批評家の人たちに穴だらけにされちゃうんだ(笑)」

テンポの良い会話の中に仲の良さがうかがえる2人は、私生活でも友達同士だそうで、本作の制作期間もお互いの存在がずいぶん支えになったのだとか。ピクサーの“穴開け協力”の甲斐あって(!?)、今までのディズニー映画とは一味違う“強固な船”に仕上がった『ボルト』。お互い信頼しあった2人だからこそ作れた素敵なストーリーは、きっとあなたの心を動かすはず。ぜひ劇場で確かめてみて。【MovieWalker/渡部晃子】

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