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“大きなミニシアター”テアトルタイムズスクエアが終焉!

MovieWalker 2009年8月19日 11時36分 配信

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新宿の映画館、テアトルタイムズスクエアが、8月30日(日)で閉館する。『パッション』(04)などの衝撃作(当劇場歴代観客動員数1位)や、『ローマの休日』(53)など名作のデジタルリマスター版など、個性派ラインナップで人気を博してきた劇場が、なぜ幕を閉じてしまうのか? 早速田口俊典支配人に会って話を聞いてみた。

「閉館することをお聞きになったみなさんから、『残念です』というお言葉をたくさんいただいてます。私もそう思います」と支配人。

昨今の新宿の映画館事情は、非常に世知辛い。新宿バルト9と新宿ピカデリーなど都市型シネコンの好調のあおりを受け、2008年末から、新宿プラザ、新宿コマ東宝、2009年に入ってからも新宿トーア、新宿ジョイシネマ(3館)と、歌舞伎町近辺の劇場が次々に閉館。テアトルタイムズスクエアにもその影響が及んだのだろうか?

「いえ、歌舞伎町に比べると、ここは人の流れは悪くなかったんです。南口だし、新宿高島屋内だからアクセスもいい。固定ファンの方々もついていてくださり、なかには遠くから新幹線で来られる熱い方もいらしたり。本当にありがたいことです」

では、閉館の原因は何だったのか? そこでキーワードに上がったのが“単館”だ。

「うちみたいに12階から14階までとった340席もある単館の映画館を、効率的に維持していくのが大変だったんです。複数のスクリーンなら、数字が少し落ちたときに作品を変更したりもできるんですが、単館だとそうはいかない。“これは当たる!”と思っても外れるときってありますし……」

確かにテアトルタイムズスクエアは、新宿ミラノやTOHOシネマズ日劇とも引けをとらない規模の劇場だが、それゆえに作品が当たらないと傷手も大きい。特に昨今では、限られたミニシアターで小規模に上映されてきた作品が、シネコンでも公開されるという“中規模”な興行形態をとるようになった。ミニシアター自体に付加価値がなくなってきたのも要因のひとつか。

「単館上映に限った作品は、本当に難しくなってきてます。 特にうちのような大きい箱になると、ある程度宣伝費をかけた作品じゃないとなかなか埋まりきらなくて。でも、そういう中規模作品だと、シネコンさんでもかかるんですよね」

また、ここは単館上映のミニシアターながら、8.5m×16m(ビスタサイズ)という都内屈指の巨大スクリーンを誇るが、これは前身のアイマックスシアターだった頃の名残だ。アイマックスシアターが劇場のハードとしてようやく注目されてきた今、ここが閉館するのは非常に皮肉に思える。

「『ハリー・ポッター』とかを3Dで見たら楽しいでしょうね。アイマックスはようやくソフトが充実してきたから今後も伸びていく可能性はあるけど、あまり広げすぎると飽きられてしまう。だから今みたいに、他の映画館ではやってないことを、値段を少し上げてでもやっていくのがいいと思います」

閉館にあたり、8月22日(土)から30日(日)まで、特別上映が行われる。これは「もう一度スクリーンで観たい」と言うファン投票などで選ばれた厳選14本を1000円で観られるというスペシャル企画だ。たとえば、ファン投票1位の『2001年宇宙の旅』(68)や、2位の『ダークナイト』(08)、劇場歴代観客動員数2位の『ローマの休日』など、映画ファン必見の魅力的なラインナップとなった。

「国内でも最大級を誇る当劇場の大スクリーンでご覧になれるのも残りわずかです。迫力の大画面と音響を、この機会にぜひお楽しみください」と支配人は語る。人気作品のチケットは早いもの勝ち! 映画ファンに惜しまれながら閉館するテアトルタイムズスクエア最後のプログラムを、しかと観納めよう。【Movie Walker/山崎伸子】

■テアトルタイムズスクエア http://www.cinemabox.com/schedule/times/index.shtml

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