「キンキーブーツ」観劇ルポと来日版への期待!

ブロードウェイ・ミュージカル「キンキーブーツ」が11月に大阪初上陸!
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シンディ・ローパーが全曲を作詞・作曲、2013年にトニー賞の最優秀作品賞など6部門を受賞したブロードウェイ・ミュージカル「キンキーブーツ」。現在もブロードウェイで上演中のヒット作の日本初登場だ。日本版は、小池徹平と三浦春馬のW主演で上演し、大成功を収めた。この熱気の冷めぬまま、来日版が11月に大阪に上陸する。

舞台はイギリスの田舎町。父親の急死によって倒産寸前の老舗の靴工場を突然継ぐことになったチャーリーが、ドラァグクイーンのローラと出会い、彼らの履く奇抜な“キンキーブーツ”に着目、工場を再生させていく物語。2005年に製作、翌年に日本でも公開されたイギリス映画のミュージカル化だ。日本版では、チャーリー役が小池、ドラァグクイーンのローラ役が三浦。また、ソニンほかオーディションで選ばれた実力派俳優が出演した。

■日本版「キンキーブーツ」を観て

いい作品だ。まず、実話をベースにした物語がしっかりしている。わかりやすい物語をシンディ・ローパーのご機嫌な楽曲に乗せて、伝えたいテーマが魅力的な歌詞(訳詞:森 雪之丞)と共に観客に届けられる。この歌、かなりパワフルだ。「キーが高いし、心情の変化が歌の中で現れている楽曲で、相当練習しないと」と言っていた小池だが、見事クリア。三浦もニューヨ-クでのボイスレッスンの成果を見せた。

そして一番の話題となったのは、三浦のローラ役。ドラァグクイーンを演じるため、かなり体を作って臨んだのがわかる。派手な女装でパフォーマンスを見せる、ローラと6名のエンジェルスたち。登場した三浦の姿に客席は一瞬驚くものの、手拍子で応援したくなるほどキュートな魅力で引きつける。それは、かわいらしい美しさというより、力強く華やかな美しさだ。キラキラの衣裳に大きなウイッグ、ハイヒールでダイナミックに踊るショーのシーン。ミニスカートからスラリと伸びた足、そしてエンジェルスたちの割れた腹筋…。そんなローラが、チャーリーに乞われて工場を訪れる時は、ズボンを履いた男性の服装で。おずおずとかわいらしい。

「いつか振り切った役どころに挑戦したい」と思っていた三浦が、2013年にニューヨークで初めて本作に出会い「もしこの舞台をやるなら、必ず自分がローラ役をやりたい」と願った。今回の舞台で、その3年越しの夢が叶った喜びを弾けさせた。「日常生活でも日々履いていた」というピンヒール12センチのキンキーブーツを、しっかりと履きこなして。

小池と三浦は、今回が初共演と思えないほど稽古前から仲がよかった。取材で三浦は「徹平くんは先輩なんですよ。僕は『ごくせん』シリーズにめちゃめちゃ憧れていた中学時代を過ごしていて。だから、同じ板の上で仕事をさせてもらえるのはすごく喜ばしいことなんです」と話し、小池は「僕と比べると、ローラ役の春馬は首が痛いほど見上げるぐらい、すごい身長差で」と笑いながら「まずはローラが大事。僕はそこで芝居の部分をしっかり支えて、ちゃんと中味伝えられるように」と語っていた。チャーリーとローラの背景に共通する父親との葛藤や、友情を育み互いに成長して行く姿に、役を超えて小池と三浦の信頼関係が伝わる。ローラの三浦だけでなく、小池もハマり役のベストコンビだ。

もう1人、めげそうになるチャーリーを励ます、とびきり明るい従業員ローレン役のソニンが、歌も演技も光る。また、偏見を超え、最後には2人の力になるドンを演じた勝矢が、開幕前の注意アナウンスの演技をはじめ、大柄な見た目と共においしい役。

三浦が「チャーリーと工場のみんなが壊れかけ、再び団結する瞬間は、何回観ても感動して泣いてしまう」と話していたシーンでは、客席のあちこちでも涙をぬぐう人たちが。そしてその涙は、最後に大輪の笑顔に変わる。人種や性別、環境などに差別されず、自分らしく生きることの大切さ。他人を受け入れ、自分が変われば世界をも変えられる。強いメッセージが心に響く、ポジティブなエネルギーに満ちたハッピー・ミュージカル。先行した日本版の大成功を受けて、いよいよ来日版が登場する。

■三浦春馬の語る来日版の見どころ

「どのシーンも圧倒されるレベルを持ち併せたキャスト陣が日本にやってきます。来日版のローラ役は、190センチ越えの高身長でさらにキンキーブーツを履いて登場するので、その存在感はほんとに凄まじいものがあると思います。立っているだけで、すごくパワーを感じるローラ像で、歌も素晴らしく、ダンスもすごくキレイで、見ごたえがある。嫉妬を覚えるぐらい素晴らしい。来日版の一番の見どころは、このローラの存在感だと思います」。今回の来日版となるツアー・カンパニーの公演を、一足先にロサンゼルスで観ていた三浦のコメントだ。来日版ならではのゴージャス感に、新たな感動の期待が高まる。

また、もうひとつのみどころ。この作品は、舞台の細かいところにまで非常に凝っている。多彩なブーツのデザインや小道具、靴製造のベルトコンベアなどリアルな工場のセット…。見逃した人は、ローラの迫力に負けず、オペラグラス持参で是非チェックしてほしい。来日版は英語上演で日本語字幕付き。日本版を観た人は、より一層楽しめるに違いない。

【関西ウォーカー/高橋晴代】

◆STAGE
ブロードウェイ・ミュージカル「キンキーブーツ」<来日版>
日時:11/2(水)18:30、4(金)13:00、3(木)・5(土)・6(日)12:30・17:30
会場:オリックス劇場
交通:地下鉄四つ橋線「四ツ橋駅」「本町駅」、長堀鶴見緑地線「心斎橋駅」「西大橋駅」より徒歩約5~7分
脚本:ハーヴェイ・ファイアスタイン  
音楽・作詞:シンディ・ローパー
演出・振付:ジェリー・ミッチェル 
料金:S¥12,800 A¥10,800 B¥8,800 C¥6,800 D¥4,800
チケット問い合わせ:キョードーインフォメーション(TEL:0570・200・888)

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