声優・古谷徹、ライバルは神谷浩史「僕だって黄色い声援を浴びたい」

自分を褒めたい瞬間を語る声優・古谷徹
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「機動戦士ガンダム」のアムロ・レイ、「美少女戦士セーラームーン」のタキシード仮面など、数多くの伝説的アニメ作品でヒーローを演じてきた声優・古谷徹がWEBマガジン「週刊ジョージア」のインタビュー企画に登場した。

60歳を超えた現在も、「ONE PIECE」のサボや「名探偵コナン」の安室透などの人気キャラクターを演じ、第一線で活躍する声優界のレジェンド・古谷徹が、キャリア50年を迎えた今だからこそ感じる、自分を自分で褒めたい瞬間を語った!

滑舌が悪い方がアムロらしい

――声も外見も驚きの若々しさ!古谷さん、年齢詐称してます?

いやいや(笑)。僕は正真正銘の63歳ですよ!

ただ、ずっと実年齢より若いキャラクターを演じてきたので、精神的な若さを保てているかもしれません。

なにしろ、僕自身がピュアな心を持っていないと、アムロ・レイや、「聖闘士星矢」のペガサス星矢のようなヒーローを演じることができませんから。

ただ、精神的に変わらないことはできても、50年も続けると、声優として積み上げた技術が邪魔になることもあるんです…。

――え、どういうことですか?

たとえば、初めてアムロを演じた25歳のころ。

当時はまだまだ経験不足で、セリフの語尾がはっきりと言えていないことがあるんです。

「親父にもぶたれたことないのに!」といった初期の名ゼリフも、滑舌が悪いからこそ“甘ったれ”感が出ているというか(笑)。

でも、それがピュアな少年っぽくて、個人的には、あの時代のしゃべり方が最も“アムロらしい”と思うんですよね。

――アムロらしさ…確かに。

ところが、今の僕は滑舌がとても良いんですよ。

だから現在、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」でアムロを演じるときは、どれだけ自然に“拙さ”を出せるかが勝負。

それが非常に難しいんですよね。

狙い通り、自然かつ絶妙におぼつかないしゃべり方ができたときは、達成感もひとしおです(笑)。

サボ役で新境地に到達!ネットの評価も一変

――長年にわたり超人気キャラを演じていますが、近年もすごいですよね!

ありがたい話ですよね。2014年からは「ONE PIECE」のサボを担当させてもらっています。

ですが、当初は原作ファンの方々から歓迎されませんでした。

なにしろ、配役が発表された直後にネットの声を見たら…。

「アムロがサボかよ!」「もう60歳過ぎてんだろ!」って。

否定的なものばかりだったんですよ(笑)。

――それは、さすがにヘコみますね…。

もう、悔しくて悔しくて(笑)。

名前を伏せたオーディションで原作者の尾田栄一郎先生に選んでもらったので、僕としては自信があったのですが…。

熱血ヒーローのイメージを持たれている僕が、クールでかっこいいサボを演じることに違和感を持たれてしまったようなんです。

だから、古谷徹のイメージを覆すような、「これまで一度も出したことのない声を出す」という意気込みで収録に挑みました。

――それで、どのような役作りを?

どの作品でも同じですが、まずは原作を徹底的に研究して、自分の中に演じるキャラクターの感情を植え付けます。

そのうえで、普段ならストレッチをしたり、うがいをしたりして、いい声を出すための準備を整えてから収録に入るんです。

ですが、サボに限ってはそれをやらなかったんですよ。

――えぇ!? 大胆な試みですね!

実は、尾田先生に聞いてもらったオーディション用の音源は、たまたま別の仕事でハードな収録があった直後に取ったものなんです。

だから普段より枯れた状態の声だったんですよね。

その声を選んでもらったので、再現するために、あえて何十年も続けていた「勝利の方程式」を捨ててみたんです。

ハスキーな声を作るために、収録前日の夜にお酒をお代わりしたのも初めてですね(笑)。

勇気のいる行動でしたが、おかげでサボの登場シーンでは理想の第一声を出すことができました。

声優業界の国宝よりも黄色い声援が欲しい!

――声優業界のレジェンドとして、この先はどんなビジョンを?

とにかく、現在取り組んでいるキャラクターを最後まで悔いのないように演じることですね。

アムロやサボ、「名探偵コナン」の安室透など、これからどこまで続くか分からない超人気作品の主要キャラクターですから。

――まだまだ続いてほしいですね!

近ごろは後輩から、「古谷さんは国宝です!」なんて言ってもらえる機会があるんですよ。

でも、僕にとって彼らはライバル。

特に、女性からカリスマ的な人気を誇る神谷浩史君※には負けたくありませんね!(※「進撃の巨人」リヴァイ役、「おそ松さん」松野チョロ松役などを演じる人気声優)

ヒーローを演じている限り、僕だって黄色い声援を浴びたいんです!

――ヒーローの古谷さんにとっても、ライバルはヒーローなんですか!?

もちろん彼とは所属する事務所も同じで、普段は仲が良いんですよ(笑)。

実力面でも人気面でも若手に負けないように、今後も第一線で活躍していきたいということですね。

※この記事は「週刊ジョージア」の「『でかした、俺。』PREMIUMインタビュー」から抜粋したものです。サボを演じたときに一番喜びをかみしめた瞬間など全文は「週刊ジョージア」(https://weekly-g.jp)でご覧いただけます。【週刊ジョージア】

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古谷徹(ふるや・とおる)●1953年生まれ、神奈川県横浜市出身。1966年、『海賊王子』のキッド役で声優デビュー。代表出演作は、『巨人の星』の星飛雄馬、『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイ、『美少女戦士セーラームーン』のタキシード仮面など多数。2016年4月から報道番組『クローズアップ現代+』(NHK総合)のナレーターを務める。

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