モデル、服作り、美術の経験が生きる! 注目アーティスト・清川あさみインタビュー

旬の女優たちとコラボし、一躍話題になった写真集「美女採集 Asami Kiyokawa catch the girl」。
  • 旬の女優たちとコラボし、一躍話題になった写真集「美女採集 Asami Kiyokawa catch the girl」。

写真に刺しゅうする斬新な手法で、いま最も注目を集める若手アート作家の一人・清川あさみ。長澤まさみや沢尻エリカら、旬の女優やモデル22人を独自のイメージで撮りおろし、動植物をイメージして刺しゅうした写真集「美女採集 Asami Kiyokawa catch the girl」で一躍話題を集めた。10/26(日)まで、福岡初の個展となる「清川あさみHAZY DREAM」を、福岡市・イムズ8階の三菱地所アルティアムで開催中の彼女に、会ってきた。

― 清川さんといえば、文化服装学院アパレルデザイン科在学中から、ファッション誌「ZIPPER」「CUTIE」などで、読者モデルとしてカリスマ的な人気を誇っていましたが、なぜ、モデルを辞めて、アーティストになったのですか?

「私としては、もう、モデルは十分にやらせていただきました。なので文化服装学院卒業時にタイミングもよく辞めたんです。当時は、着ている服から、行ったお店の情報まで、プライベートを誌面ですべて発信する勢いで登場していました。そもそもモデルをしていたのも、大好きな服を紹介するためで、モデルをすることで服や作品作りがなおざりになってしまうのは避けたかった。作品制作にも集中していたし、そんな気持ちで誌面に出続けることは、読者に対して申し訳なかったんです」

―在学中から、アーティストとして活躍されていたのですか?

「布や糸を使って作品を作っていました。アートの雑誌に紹介されたのがきっかけで、作家に興味をもって。卒業時は、表に立つ職業への誘いもあったんですけど、直感で、作品を作り続ける方を選びました。いつも、私、直感で動くんです。これまで、やりたいことを、ただ一生懸命やってきました。文化服装に入る前は、絵をやっていて。美術をやり、衣服をやり、モデルをやっている私をみて親はよく呆れていましたが、いま考えると、すべての経験は作品に生きていて、無駄じゃなかったな、と実感しています」

―布と糸を使ってアンデルセンの童話の世界を表現した清作品集「人魚姫」も、「今回の個展で見ることができますね。どんな思いで作られたのですか?

創作時は、ちょうど「恋愛」とか「愛」とかにとても興味があって。子供のころに「人魚姫」を読んだ時は、王子様はなんて悪い人なんだと思っていたんですが、大人になって読むと、感じ方が違った。そうか、王子は天然キャラというだけだったのではないか?とか、人魚姫にも悪いところがあるな、とか、いろいろと発見があって、表現したくなった。女性の美しくてはかない部分、心の暗い部分の両面を、人魚姫を通じて描きました。大人の女性に観ていただきたいですね」

―最初の布の作品から約2年後に、写真に刺しゅうする手法を思いつかれたそうですね。

「生きていないもの、フェイクである植物(造花)に、縫うという行為で命を吹き込んだどうなるか、そんな動機から始めました。これは、見たことがない技法だ、と発見した時は喜びがありましたね。縫いあがった植物は、本物の植物よりも、妖艶で毒々しい魅力を放つんです。

―その手法を採った代表作「美女採集」について教えてください。さまざまな女優さんと動植物をコラボレートした作品を発表されていますが、たとえば長澤まさみさんは、なぜ、パンダ?

「長澤まさみちゃんは愛嬌があって、皆に愛されているところが、まさにパンダ! まさみちゃんにボールを転がして欲しいなー、と期待して、撮影現場にボールを置いおいたんですが、私の思惑通り、パンダの動作そのままに転がし始めて、いい感じに仕上がりました。沢尻エリカさんは、セクシーで、強くて、あらゆる人やいろんなものがその魅力に引っ掛かってしまう「蜘蛛」のイメージが浮かびましたね。1回ご本人に会うと、固定のイメージがついてしまうことが多いので、ほとんど、本人と会う前のイメージで、コラボする動植物を決めました」

―今回の個展のために創られた新作「HAZY DREAM」は初のモノクロ作品で、清川さんの新境地との呼び声が高いですね。なぜ、モノクロにしたのですか?

「溶けるように曖昧なリアル」を表現するために、あえて。私は絵本でコンセプトのしっかりしたファンタジーの世界を構築してきた一方で、等身大のリアル(現実)にも、ずっと興味がありました。私たちが見聞きする「リアル」って、曖昧で、本当に現実なのかさえ、その実よく分からない。イメージが固定されにくいモノクロ写真に刺しゅうし、それを複写し、またその上から実際に縫うという複雑な手法で、そんな曖昧さを表現しました。モノクロの中に、“リアル”が溶けていっているんです。

【九州ウォーカー/城リユア】

「清川あさみ HAZY DREAM」
9/20(土)〜10/26(日)
三菱地所アルティアム(イムズ8F)
(福岡市中央区天神1-7-11)
地下鉄天神駅すぐ

大人¥400(前売り¥300)、学生¥300(前売り¥200)、
高校生以下無料
092-733-205

【清川あさみプロフィール】
1979年生まれ。文化服装学院在学中より、モデルとして人気を得て連載やスタイリングを手掛ける。現在糸や布を使ったアート作品、衣装、空間、映像、イラストレーションを創作するアーティストとして多方面で活躍中。数々の広告やCDジャケットを手掛けるアートディレクターでもある。
www.asamikiyokawa.com

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