漫才(M-1)、ピン芸(R-1)に続き、コントの日本一を決める大会「キングオブコント」が10/5(日)に初開催される。独占インタビュー6回目は、大阪で活躍中の若手、天竺鼠。
――「コントの大会ができる」と聞いた時、どう思いましたか?
川原「僕らは『M-1グランプリ』にも出てますけど、そこでよく“漫才じゃない”と怒られていました。正直、漫才をやっても、やっぱり僕らのネタはどこかコントなんですよ。だから『キングオブコント』ができると聞いた時は、“チャンスはこれしかない”と思いました。大阪ではたくさんの賞レースに出ていましたけど、ことごとく結果が出なくて。“どうしたらええんや”という状態になってたんですけど、“オマエらはそのままでいい”と言ってくれる人もいたので、そのまま続けていました。そうしたら、初めて結果が出たのがこの大会。今でもピンと来ないですね」
瀬下「“賞レースでは、俺らみたいなタイプはアカンやろ”という思いがずっと頭の中にあったんですが、この大会は初めてなだけに合格の基準がわからないので、期待はしていました。その分、受かった時は夢心地。僕らは同期に藤崎マーケットがいて、ずっと彼らに負けてきたので、やっとチャンスがきたし、楽しみです」
――決勝進出が決まった時のリアクションは?
川原「初めてえらい人に名前を呼ばれたので、“呼ばれるのって、こういうことなんや”と思いました」
瀬下「『M-1』でも結果発表の時は、負けた人が周りにいるので、喜びをあまり前面に出さないようにするのが暗黙のルールなんですが、今回は思わず“えっ!?”と変な声を出してしまい、めちゃめちゃ恥ずかしかったです。その後、まず奥さんに電話。普通のテンションで“決勝に行ったで”といったら彼女が泣いてね。泣きすぎでしゃべれなくなったので、電話を切りました」
川原「瀬下は仕事がないころに結婚して、子供ができて…。だから奥さんと子供はガリガリですよ」
瀬下「オマエ、うちの嫁と子供を見たことないやろ! ガリガリちゃうわ!」
川原「これで仕事が増えたら、ちょっとはふくよかになるのかなぁと。やっと外で歩けるようになりますよ」
瀬下「今までも外に出てたわ!」
――決勝まではどうやって調整していきますか?
川原「僕は本当にネタ合わせが嫌いなので、ほとんどやらないんですよ。予選でも、“あと2組で僕らの出番”という段階で、やっと僕が“ネタ合わせしよう”と言うんです。でもね、ネタ合わせをしすぎて、逆に本番で良くなかったこともあるし…。その辺が難しいんです」
瀬下「川原は本番ギリギリまで、僕に何のネタをやるかを教えてくれないんですよ。コントなので、事前に小道具とか持参すべき荷物があるのに、それも教えてくれない。だから僕はいつも“多分、これやろ”と予想して、何個か荷物を持って行くんです」
川原「決勝でも、出番ギリギリのところで伝えます。もし瀬下が違う衣装を持ってきてたら、新ネタでいきます。急遽、アドリブで作ります」
瀬下「オマエ、どんだけ自信があんねん!」
――優勝した場合、賞金はどう使いますか?
川原「記者会見で僕だけジャケットを着ていなかったので、とりあえずジャケットを買います。あとは恵まれない子供たちに靴を買ってあげたいですね」
瀬下「1000万のゲンナマを使ったコントを作りたいと思います」【ライター/篠崎美緒】
●天竺鼠(てんじくねずみ) 川原克己(かわはらかつみ)・瀬下豊(せしたゆたか):03年結成。ともに鹿児島県出身でNSC大阪校26期生。「M-1グランプリ」では3年連続で準決勝進出。現在baseよしもとで活動中。
●「キングオブコント2008」は10/5(日)19:00〜20:50 TBS系で放送 MC:ダウンタウン/決勝進出者 Aブロック:TKO、バッファロー吾郎、THE GEESE、天竺鼠 Bブロック:チョコレートプラネット、ロバート、バナナマン、2700