松田龍平がクランクアップで涙した大西利空をハグ

『ぼくのおじさん』で共演した松田龍平と大西利空
  • 『ぼくのおじさん』で共演した松田龍平と大西利空

芥川賞作家・北杜男の児童文学を映画化した『ぼくのおじさん』(11月3日公開)で、哲学者で変わり者のおじさんを演じた松田龍平と、彼を観察するしっかり者の甥っ子を演じた大西利空にインタビュー。劇中でオフビートな掛け合いを見せた2人が、山下敦弘監督の現場について語ってくれた。

松田が演じるのは、インテリなのにいつもゴロゴロしている冴えないぐーたら男だ。布団は万年床だし、甥っ子の雪男(大西利空)に読みたい漫画を買わせたりと、なんとも情けない“おじさん”である。そんな“おじさん”が美人(真木よう子)との見合い話に翻弄されていく姿を、雪男の視点から描いていく。 松田は脚本を読んだ感想について「こんなにダメな“おじさん”がいるんだなと。そのインパクトがすごかったです」と苦笑い。

「とにかく自由な“おじさん”を雪男がじっと観察している。すごく面白い脚本だと思いました。現場ではまず『こういう“おじさん”はどうだろう?』と僕が山下監督に提示し、そこから山下監督も『じゃあ、もう少しこうしたら?』と面白がってくれました」。

2人は初共演となったが、大西はとても緊張しながら撮影現場に入ったと明かす。「入る前は松田さんってどんな人なんだろうと思っていたんですが、休憩時間にいろんな話で盛り上がったりして、良い意味で『こんな人だったのか』と初めて知りました。ちゃんとした人で、思っていた印象とは全然違いました」。松田が「ちゃんとしてた?」と笑いながら聞くと、大西は「というか、話が合うから安心したんです」と笑顔を見せた。

実際、撮影が進んでいくにつれて2人の雰囲気はだんだんほぐれていったと松田は言う。「利空は本番ギリギリまでわいわいやっていて、急にさっと雪男になるんです。本番前に場の温度が高くなるんですが、そのまま本番に入れました。雪男が子供らしくいてくれたのが良かったです。でも、ちょっとはしゃぎすぎて怒られたりもしていたよね」と松田は優しい視線を大西に向けた。

“おじさん”の良さについて松田に尋ねると、少し考えた後で「“おじさん”は本当に自由。こんな人がいてほしいなと思うような人」と答えてくれた。また「なんだかんだ言っても、雪男は“おじさん”のことが好きなんだよね」と聞くと、大西はうなずく。松田は「あ、認めちゃったね」と2人で笑い合った。

現場ではとても仲良くやっていたという松田と大西。クランクアップの日には思わず涙してしまったという大西を松田がハグしたそうだ。大西は「みんながめっちゃ仲良くやってきたのに、クランクアップしちゃうと会えなくなる。そう思ったらなんだか気持ちが悲しくなって、それで泣いちゃったのかな」と松田を見る。

松田は「利空はみんなから『最後の日は特別だから泣くんだぞ』と言われまくっていたので、逆に緊張していたんだよね。だから『無理すんなよ』とも言ったんです。あれはプレッシャーだったよね?」と聞くと、大西は少し照れながらうなずく。確かに「みんなから『最後は泣けよ』みたいな感じで言われました。でも、それとは関係なく泣けたんです。本当に楽しい撮影だったから。初めての海外だったので余計に楽しかったです。最高でしたね」。

ちょっぴりおかしな“おじさん”と、彼よりもしっかりしている甥っ子の“迷コンビ”が織りなすヒューマンコメディ、『ぼくのおじさん』。2人が織りなす絶妙な“間”を楽しんでほしい。【取材・文/山崎伸子】

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