体がだるくて、息苦しい…。もしかして「自律神経失調症」かも

検査では異常がないのに、何となく体の調子がよくない……
  • 検査では異常がないのに、何となく体の調子がよくない……

最近よく耳にする自律神経というワード。ですが、自律神経について、実はよく知らないという人も多いのでは。そこで、日産厚生会玉川病院循環器科副部長の坂田隆夫先生に教えてもらいました。

【自律神経がうまく働かず、数々の不調を引き起こす】

「自律神経とは、内臓や血管、内分泌系など、私たちの体の機能を秒単位で常にコントロールしている神経のことです。生命を維持するための大切な神経で、この自律神経が乱れることで、心身にさまざまな不調を来す症候群のことを『自律神経失調症』といいます」。その症状は多岐にわたり、「めまい、頭痛、動悸(どうき) 、息切れ、便秘、下痢、不安感、食欲不振、月経不順、何となく体がだるいなどが挙げられます。何かしらの不調を感じて病院へ行ってみたけれど、原因が特定できない。そのようなときに、自律神経失調症と診断されることが多いのです。自律神経失調症の一般的な治療は、症状に応じた投薬治療ですが、複数の症状がある場合、薬の多剤併用により自律神経活性が低下するリスクが心配されることもあります」。

自律神経が乱れるとは、どのような状態なのでしょうか。「自律神経は、体の活動に働く交感神経と、休息に働く副交感神経から成り立っています。この2つのバランスは、環境に応じて休むことなく常に変わり続けているのですが、ストレスや過労、不規則な生活が続くと、交感神経の働きが優位になり、自律神経のバランスを乱してしまいます」。

また、実際に測定した結果、問題は自律神経のバランスだけではないことがわかりました。「ストレスはもちろん、運動不足や環境的要因から、そもそも交感神経、副交感神経ともに活発に働いていないという人が増えてきました。自律神経自体が働かない=生命活動が低下するということ。不調を改善するためには、自律神経自体を活性化させることが必要なのです」。

【意識して行なう腹式呼吸が自律神経を働かせる】

そのために有効なのが呼吸法です。「呼吸で大切なポイントは、ゆっくりと長く息を吐くことです。息を長く吐くと、横隔膜やおなか全体の筋肉が大きく動きます。横隔膜の周辺には自律神経が集中しているので、呼吸が自律神経を働かせるマッサージのような働きをするのです。一方で、自律神経が乱れている人の多くは、胸や肩で息をするような、浅く速い呼吸をしています。これはストレスや不安、緊張を抱えている時と同じ状態。長く息を吐く呼吸は、リラックス作用のある副交感神経を優位にする効果から、自律神経のバランスを整えます」。自律神経の乱れは、さまざまな病気を引き起こすきっかけに。規則正しい生活を心がけることはもちろん、呼吸による改善法も取り入れてみては。

【自律神経失調症を予防・改善するポイント】

無理なくできる、予防・改善法を紹介。

●ゆっくりとした長い呼吸で自律神経を活性化

自律神経を整える正しい腹式呼吸法を覚えましょう。鼻から息を吸いお腹を膨らませ、唇をすぼめてゆっくりとできるだけ長く息を吐きお腹をへこませます。吸うことにはこだわらずに、できる限り力を抜いて呼気のほうを長くするように意識。吐ききるにつれ、みぞおちが緩み下腹部が充実する感覚を味わえる逆腹式呼吸ができるとベスト。1日1~2回、1回10分程度から行なって。心身が不調のときや慣れないうちは「呼吸を意識する」習慣をつけるだけでOK。慣れてきたら日常生活の動作の中に取り入れてみて。

●適度なリズム運動で呼吸力を高める

ジョギングや、やや早歩きのウォーキングなどリズミカルに体を動かす習慣を。呼吸に関係するお腹まわりの筋肉を鍛えられ、呼吸力がアップ。ダイエットに効きます。大きな声で笑う、歌を歌う、ハミングする、声を出しながら息を吐くなどの動作も同様の効果が期待できます。

●ふだんの姿勢を見直す

前かがみの悪い姿勢は、呼吸を妨げ、自律神経のバランスを崩すきっかけに。スマートフォンやパソコンを使用しているときは、背中が丸まり、胸が閉じた悪い姿勢になりがち。自分の姿勢をチェックして腹式呼吸を意識してみましょう。【東京ウォーカー/記事提供=レタスクラブ】

教えてくれたのは: 坂田隆夫先生
日産厚生会玉川病院循環器科副部長。専門は循環器、不整脈。呼吸が心と体に及ぼす効果について研究を行なう。著書に『自律神経を整える「長生き呼吸」』(マキノ出版)。

イラスト/林ユミ 編集協力/彦田恵理子

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