あの“小林くん”が帰ってきた!しかもあのS男が恋をした!? エロかわいいに進化した『オトナの小林くん』2巻発売

『オトナの小林くん』(森生まさみ/白泉社)
  • 『オトナの小林くん』(森生まさみ/白泉社)

 美人だけど気が強い学級委員長・吹雪。不愛想でこわもての健吾。超絶美形だけど人を翻弄するのが趣味のS男、千尋。 “A組のバミューダ・トライアングル”と呼ばれ恐れられていた小林3人組に加わった、4人目の小林・転校生の大和。高校生とは思えない愛らしい笑顔と純真さで3人の心を溶かしていく“ぽっぷんコメディ”『おまけの小林クン』(森生まさみ/白泉社)。96年の連載開始以降、絶大な人気を誇った本作の続編『オトナの小林くん』2巻が発売された。

 いつも自分より誰かの幸せを優先させてしまう大和。前作では、彼の哀しい過去に起因するとことんなまでの優しさが、吹雪たちだけでなく読者の心をあたため、癒してきた。なかでもいちばん救われたのが千尋だろう。本当は誰よりもさみしがりやな千尋だが、愛情表現が屈折しているうえに誰もがふりかえるイケメンのため、なかなか真意が伝わりにくい。だが、小林ーずといるとき、千尋は心置きなく自由でいられる。とくに大和の存在は強大で、もしかしたら千尋は一生、大和の傍から離れないのではないかと、おそらく前作読者は一様に思ったことだろう。はたしてあの千尋が恋をする日はくるのだろうか、と。

 だがしかし。 時を経て、ここについに、千尋が恋をする事案が発生したのである。前作ファンとして、これを読まずにいられようか!

 そのお相手は勤労少女の藍。もちろん、姓は小林である。貧乏のためバイトを掛け持ちしまくり、自分のためにお金をつかうことはないのに、困っている人を見ればぽんと募金してしまう。騙されやすい、お人よし。そう、まさに女版・大和である。いやまあ、そりゃそんな子が現れたら恋するって!

 という納得の展開なのだが、嗜虐心をそそるのか庇護欲なのか、(あの人とあの人の結婚式で!)偶然出会った藍を千尋はまあ構う。それは「自分は主役になれない、絵本でさえ見切れてるくらいの脇役でいい」と思っている藍にとっては青天の霹靂。自分が主役! やりたいことを我慢してなんか得あるの? が信条の千尋に藍は困惑するが、その交流を通じて、「自分に素直になる」ことを知っていく。

 我慢があたりまえだったから、ネガティブな感情も湧かなかった。そのかわり、強く何かを願うこともしなかった。はじめて躍動する感情を手に入れた藍が、千尋との恋を通じてどう変化していくかが読みどころ。そして「オトナの」と銘打っている以上、その恋は胸キュンするだけじゃすまない。なにせ相手はあの千尋なのだ。さらに、その隣で大学生の吹雪&健吾も、なにげなくオトナの恋を進行中。千尋のフェロモンたっぷりな色仕掛けを堪能しつつ、エロかわいい新生『小林くん』を味わってほしい。

文=立花もも

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