ピース又吉が敬愛する作家・中村文則、『あなたが消えた夜に』のスピンオフ公開!ある食堂で繰り広げられる推理合戦

『あなたが消えた夜に』(中村文則/毎日新聞出版)
  • 『あなたが消えた夜に』(中村文則/毎日新聞出版)

 ピースの又吉が敬愛する作家・中村文則。このたび、彼の『あなたが消えた夜に』のスピンオフ作品「気分転換な夜に」(全5話)が無料公開される。

 JTが運営するWEBサイト「ちょっと一服ひろば」での公開となるが、第1話だけは雑誌『ダ・ヴィンチ』12月号と「ダ・ヴィンチニュース」の特設ページでも公開される。

 本編の『あなたが消えた夜に』は、中村文則が挑んだ、初の警察小説。東京郊外で起きた〈コートの男〉連続通り魔事件を追う、所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋。捜査は混迷を極めるが、徐々に犯人に近づくにつれ、明らかになる驚愕の事実。人の心の闇とはこんなにも深いものだったのか。骨太な純文学とミステリーの醍醐味が詰まった傑作長編。

 今回のスピンオフ「気分転換な夜に」は、本編で活躍する二人のキャラクターを活かしながらも、その読み心地はまったく違う。中村の小説としては異色の、軽やかなユーモアが味わえる短編だ。

 相方の小橋から突然呼び出された中島が、とある食堂の前に姿を現すところから始まる。

 小橋は言う。「あの事件はまだ終わってないんです。……私達はまだ、打ち上げをしていない」。

 全く状況の掴めない中島。一方、小橋は深刻な声色で電話してきたわりには、おもむろにようかんを取り出し、かじっている。

 仕方なく小橋の後を追い、店ののれんをくぐると、店内には気難しそうな大将が一人。なんでもこの店は、客が大将の意を汲み取り、大将が作りたそうなメニューを選ばなければいけないという。

 呆然とする中島をよそに、小橋の表情は真剣だ。料理一つ注文するのに、小橋と大将との間には、ただならぬ緊張感が走っている。

 小橋は言う。「刑事でしょう?推測するのよ」

 果たして、中島は大将の心情を察し、刑事としての威信を保つことができるのか―。

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