のん、アニメ映画初主演で得た“空腹感”。1食3合完食の過去にもびっくり!

『この世界の片隅に』でアニメ映画初主演を務めたのん
  • 『この世界の片隅に』でアニメ映画初主演を務めたのん

女優・のんがアニメ映画初主演を務めた『この世界の片隅に』が11月12日(土)より公開される。原作は第13回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞したこうの史代の同名コミック。監督は『マイマイ新子と千年の魔法』(09)の片渕須直で、のんは現場で監督と濃密なやりとりをしてアフレコに挑んだと言う。戦火の下でたくましく生きたヒロインのすず。本作に出演したことで、日常生活に対する価値観が変わったというのんにインタビューし、アフレコの収録秘話を語ってもらった。

本作では、18歳で軍港の町・呉に嫁いだすずの何気ない日常が描かれていく。戦時下の生活では物不足になったり、いろいろなものが奪われていったりするなかで、すずはひたむきに生きていく。

のんは本作のオファーを打診された後、原作コミックを読んで主演を快諾したと言う。「絶対にやりたいと思いました。すごく日常が大切に描かれていて、こういった戦時下の物語は自分にとってはとても新鮮だったので。私はこれまでは戦争というものを別次元で捉えていたのですが、日と隣合わせで戦争があったということを実感しました」。

完成披露試写会では、片渕監督とのやりとりについて「すごくしつこく質問してしまいました」と恐縮していたのん。「原作と言葉尻が違うところや、すずさんの人柄の解釈について何度も尋ねたりしました。リハーサル後に監督を呼び止めたり、スタッフを介してLINEで箇条書きにした質問を毎晩送りつけたりしましたが、監督は丁寧に答えてくださいました。とことんつき合ってくださる監督だったのでどんどん質問してしまいましたが、とても面白かったです。すごく向き合っていただきました」。

アフレコの現場でも監督の熱意を感じたと話す。「監督はいろいろと作品についてリサーチされていて、話がとても面白かったです。またものすごくタフな方で、1日目のレコーディングの時にはご飯休憩なしでやっちゃうくらいでしたから、頑張ってついていきました。アフレコというお仕事は、最初にマイクをセッティングし終わったら、ずっと撮るだけの作業なんですよね。自分もとことん集中できたので良かったです」。

完成した映画を観て「素晴らしい作品に出させてもらった」と大きな目を輝かせるのん。「すごく印象的だったのが、空爆された時にすずさんが頭のなかで絵を描くシーンです。監督にお話を聞いたら、あの空爆のシーンで色がついているのは、当時本当に呉の空がそういうきれいな色に染まったからだそうです。すずさんがそれを見て一瞬『きれいだ』と思ってしまったことは、より一層怖いなと感じました」。

のんは本作に出演したことで、日常の過ごし方が大いに変わったと言う。「すごくお腹が空くようにもなりました」と笑う。「いままではあまり食べなくても大丈夫なタイプだったんです。お腹が空かないというか、空いても平気だから、ごはんを自分で作るとか、生活すること自体が苦手だったんです。でもこの作品をやらせてもらってからは、お洗濯するのもごはんを作るのも楽しくなりました」。

「生活を楽しめる世界観が自分のなかでできた気がします」と、独特の言葉で表現するのん。「いまではお腹が空くと『ごはん食べたい』と殺気立つようになりました(苦笑)。そこは不便だけど、生きているという感じはします。以前は“生活する才能”がなくてこういう仕事をやっていると思っていたんですが、いまは『ああ、自分は生活ができている』と思えるので誇らしいです。ごはんを食べることのうれしさも実感しています」。

そう言いながら、食べ盛りだったという中学時代の仰天エピソードも教えてくれた。「当時は1食3合くらい食べていました。でもお母さんに怒られるから、3合炊いてあるごはんを全部食べた後、もう1回自分で3合炊いて人目を盗んで食べたりしたこともあります。合計6合!その時は異常でしたが、いまもその時くらいお腹が空きます。でも、食べなくてもいい期間があったから、胃が小さくなっているのか、すぐにお腹いっぱいになっちゃうのが悔しいです(笑)」。

最後に、これから映画を観る方々へのメッセージをもらった。「どんな時にも日常を暮らしていくというのが根本にある作品。普通に生きていくこと、普通であることが素晴らしいことだと感じていただける作品になっていると思います。是非、普通の幸せを観に来てください」。【取材・文/山崎伸子】

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