北村弁護士「報復したい気持ちわかる」 映画『さまよう刃』シンポジウム

北村晴男弁護士(右)と真山勇一議員(左)
  • 北村晴男弁護士(右)と真山勇一議員(左)

“史上最強の弁護士軍団”の一人であり、冷静沈着で通る北村晴男弁護士が心を揺さぶられた。“ある日突然愛娘を失った父”“加害者は少年”――。映画『さまよう刃』(10月10日公開)が内包するテーマは、それだけあまりにも重かった。

9月17日、映画『さまよう刃』の公開を記念したシンポジウムが、東商ホール(東京・丸の内)にて開催され、テレビ番組「行列のできる法律相談所」でお馴染みの北村晴男弁護士と、元日本テレビキャスターの現調布市市議会議・真山勇一氏が出席、今作について語り合った。

『さまよう刃』は、東野圭吾の同名小説をもとに映画化された作品で、「容疑者Xの献身」「流星の絆」など、これまで立て続けにヒット作を輩出してきた東野作品の中でも最も映像化を熱望されていたという話題作である。

ある日突然、最愛の娘を失った一人の男。男は一本の電話で加害者の名を知り、そして2人の少年を追う。現代社会では少年に厳罰は望めない、ならば自分が、と報復に動く。いかなる理由があろうとも人の命を奪うことは絶対に許されないことは、分かっていながらも。

自分の娘が強姦され、命を奪われ、“残忍で、狂気に満ち、人間性の欠片さえ感じられない”その現場を克明に映し出したビデオテープを見て、それでも「少年だから」と報復しないでいられるだろうか。その少年の更生を信じることができるだろうか。

北村弁護士は、この作品を「弁護士という立場の前に、息子と娘を持つ父親として」観たという。そして「もし自分の家族が同じ被害にあったら、自分だってこの父親と同じことを考えるかもしれない」と激白。

「報復したい気持ちも分かる。だが、だからといって極刑という考え方はやはり難しい。被害者遺族の気持ちに応えることと未成年の厳罰化はイコールではない。被害者遺族が納得できる法律を作る必要を感じた」と、現代社会が抱える少年法の問題に一石を投じた。

「この映画を観て感じたことを社会に発信してほしい」と締めくくった北村弁護士の言うとおり、裁判員制度が始まったいま、誰しもが裁く側になり得るいま、この映画を観てなにかを感じる意味はあるはずだ。【MovieWalker】

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