海外では「カルピス」がNG? 有名企業や人気商品のネーミングの秘密とは?

『知っているようで知らない「ネーミング」の謎』(博学面白倶楽部/三笠書房)
  • 『知っているようで知らない「ネーミング」の謎』(博学面白倶楽部/三笠書房)

 私たちの身の回りを支える企業や商品。人間と同じく、それぞれには様々な名前の由来や意味が込められているのはいうまでもない。そんなネーミングにまつわるうんちくを紹介してくれる本が『知っているようで知らない「ネーミング」の謎』(博学面白倶楽部/三笠書房)である。

 飲み物や食べ物、企業名や芸名など、多岐にわたるエピソードが楽しめる一冊だが、その中から、いくつかの内容を紹介していこう。

◆海外ではNG! あえなく名称変更することになった人気商品

 1919年に発売されたカルピスは、今や海外でも愛されるほどの世界的な人気商品である。ネーミングの由来はカルシウムの「カル」と、サンスクリット語で五味の最高位を意味する「サルピルマンダ(醍醐味)」をかけ合わせたものだという。音楽家・山田耕作も名付けに加わったこの商品は、1960年代後半から海外進出を始めた。

 しかし、じつは英語圏では別称「カルピコ」として販売されている。元々の名称が「カウのピス(牛のおしっこ)」を連想することから、商品イメージが損なわれるという理由で名称が変更された。

 また、パリッとした独特の食感が人気のお菓子「ポッキー」も、ヨーロッパでは「ミカド」という名称で販売されている。その理由は、元々の名称が英語で「男性のあそこ」を意味する俗語であることから。その代わりとして、ヨーロッパで愛される竹ひごを使ったテーブルゲーム「ミカドゲーム」の棒にちなんだ名称が使われるようになった。

◆ドラクエ、トヨタにまつわる「タ行」と「ダ行」の深い意味

 根拠はさておき、都市伝説的に広まるのが「商品名に『ダ行』がつくモノは売れる」というジンクス。1986年に第1作が発売された「ドラゴンクエスト」シリーズもその一つだといわれている。

 同シリーズの生みの親である堀井雄二は、タイトルを考案する際にみずからの“師匠”とする作家の小池一夫から「タイトルにはダやドなど濁音を付けた方がファンに受ける」とアドバイスを受けたという。そして、第1作の「竜王を倒し世界へ平和をもたらす」というテーマにちなみ、濁音で始まる「ドラゴン」に決定。そして、「求めて探す」という意味の「クエスト」をかけ合わせたといわれる。

 一方、企業では「ダ」を「タ」に変えて成功した事例もある。世界的な自動車メーカーである「トヨタ」だ。

 始まりは、豊田佐吉が立ち上げた機械メーカー「豊田自動織機製作所」の自動車部だった。その後、自動車メーカーとして独立。1936年に造られた生産型乗用車の名前は、創業者の名字にちなみ「トヨダ号」となっていた。

 しかし、翌1937年に設立された会社名は「トヨタ自動車」となっているのだが、そのきっかけは全国から公募した新車のロゴにあった。当時、採用されたのは濁音のない「トヨタ」と表記されたデザインで、理由は「スマートであり、かつ総画数が8画で縁起がいい」ということから。加えて、「創業者の名字から離れることで個人企業から社会的企業へ発展する」という願いも込められていた。

 この他にも、様々なエピソードを紹介している本書。当たり前にあるものほど、由来や意味を知ると深くうなずけるものである。誰かにそっと伝えたくなる、ネーミングの秘密をぜひとも多くの人たちに知ってもらいたい。

文=カネコシュウヘイ

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