「シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京」のバックステージを公開

ドレッシング・ルームでメイクをしている稲垣正司さん
  • ドレッシング・ルームでメイクをしている稲垣正司さん

10/1にグランドオープンした日本初のシルク・ドゥ・ソレイユ常設劇場「シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京」。地上7階(建物の高さ約35m、建築面積約5400平方メートル、延べ床面積約1万4000平方メートル)の劇場で、そのバックステージには、総勢70名のパフォーマーを収容するドレッシング・ルーム(楽屋)、アスレチック・トレーニングルーム、コスチュームや靴を収納するワードローブなどがある。なかなかお目にかかれない、シルク・ドゥ・ソレイユの裏側をレポートする。

まずは7階の「グリッド」(天井)へ。広さ約1700平方メートル、耐荷重量約750kg/平方メートルと巨大で、ステージからの高さが約21m。床の隙間から下が見えるため、高所恐怖症の人は歩くだけでもかなり勇気がいりそうだ。ここでは、通常15名のスタッフ(本番は10名)が働いている。途中、ワイヤーが機械で動くと、「触らないように!」と緊張感が走った。ちなみに、ショーに登場するアーティストたちもここから出入りするのだ。

次に階段を下りて5階の「キャットウォーク」へ。ここは客席上を渡れる空中の通路。結構安定していて普通に歩ける。両わきには照明機材などが並び、中には人が乗り込んで操作する大きな照明まである! ステージを見ると、かなり見下ろす感じだ。間口約35m、奥行き約20mのステージがとても小さく見えた。

キャットウォークを渡り切り、さらに1階下の「コントロールブース」へ。照明、音響などを、まさにコントロールしているエリアだ。ここで、セット・デザイナーのフランソワ・セガン氏に話を聞いた。

「セットのデザインはアストロラーベ(※六分儀が発明される以前の天体観測儀のこと)からひらめきを得たフォルムで、そこからデザイン作業を進めていった」。

だから球体なんだと納得。セットはアメリカ・テキサスで作り、東京に運んだのだとか。コントロールブースからは、ステージフロアはもちろん、上部まですべて見渡せる。ここからショー全体を観てみたい気もする。

やっと劇場内のフロアへ。ハイ・ワイヤー(綱渡り)のアーティスト2名が練習している横を通り抜けると、ステージではトレーニングウエアを着たアーティスト達が空中ブランコの練習をしていた。空中をビュンビュン飛び交う彼らの前で、作・演出のフランソワ・ジラール氏に話を聞く。

「ZED(ゼッド)はタロットカードからインスピレーションを得て、空の世界と地の世界が出会うというコンセプトを考え付いたんだ。特にディズニーパークという場所は意識していないが、子供からお年寄りまで、すべての人に自分の居場所を得られるような舞台作りをいつも意識している」と。誰もが楽しめる、誰もが感動する舞台はこうして初日を迎えた。

次は、24か国から来ている70名のアーティストの健康管理も行っている「トレーニングルーム」へ。部屋に入るとどこかのフィットネスジムのよう。ランニングマシーンやベンチプレスなどが並んでいる。さらに奥に行くと、天井が高い! 10mくらいか? さすがにアクロバティックな練習も可能だ。トライアウト公演時、アーティスト達は9:00〜13:00まで練習に励み、さらに午後から第2ピリオドとしてステージングの練習もこなした。さらにここでは、食事指導も行っている。日本のお店のどこで何が食べられるかも教えているのだそう。

最後は1階エリア。廊下を歩いていると片側に部屋が並んでいる。その中に、「ワードローブ」が。衣装などが所狭しと置かれ、ミシンやランドリーマシーンまである。かつらや被りものが石膏型によって作られ、アーティストの頭に完璧にフィットさせるのも、ここでの仕事だ。

最後に訪れたのは「ドレッシング・ルーム」(楽屋)。入口には、名前の書いた紙が貼られ、4つある楽屋のうち、見学した部屋は18名が使用していた。ひとりにひとつ鏡があり、横を見ると、唯一の日本人アーティストの稲垣正司さんがメイクをしていた。自分でメイクもするのか、と思いつつさらに部屋の奥に入ると、ボードに「リムーバーの仕方」がわかりやすく書かれた説明書まで発見! 

バックステージをめぐって、プロの仕事ぶり、アーティスト達の日常がちょっと見えた気がした。【東京ウォーカー/吉居里江子】

キーワード

関連記事

[PR] おすすめ情報