「シェアハウス強制退去」を巡って管理会社とガチバトル?! 300日におよぶ戦いの結末は?

『シェアハウスに住んでみた、ら…? ~管理会社相手の300日戦争~』(中沢玲子/デザインエッグ社)
  • 『シェアハウスに住んでみた、ら…? ~管理会社相手の300日戦争~』(中沢玲子/デザインエッグ社)

『テラスハウス』という番組で“シェアハウス”の認知度は高くなったのではないだろうか。簡単に説明をすると、一つの建物の中で複数人が共同生活を送る居住形態だ。番組ではドキュメンタリータッチで、おしゃれな建物の中で若い男女がどのような生活を営むのかを放送している。実際、このようなおしゃれなシェアハウスで様々な人と交流を持ちたいという人もいて、中には入居者専用の大浴場やジムがあるというシェアハウスも。

『シェアハウスに住んでみた、ら…? ~管理会社相手の300日戦争~』(中沢玲子/デザインエッグ社)の著者・中沢玲子氏は、冒頭に述べたようなキラキラしたシェアハウスには住んでいない。都内某所、最寄駅まで徒歩35秒、窓なし3.5畳の個室でキッチン・バストイレ・洗面所・洗濯機などは共同、壁は隣人の咳払いがそのまま聞こえるほど薄い。電気・水道・ガス代込みで4万3000円。都内駅チカ物件で考えれば破格の値段だが、共同生活を送る周囲の人が気がかりだ。

 中沢氏は抜群の適応能力で、このシェアハウス生活を満喫する。その秘訣が周囲との「距離感」であるようだ。入居者には訳アリや癖が強い人もいる。手あたり次第に女性を口説く輩をはじめ、酔ってセクハラをする男性、一夫多妻のヤクザ、プロ雀士、大学生、外国人などなど。彼らが一堂に会すれば、住人トラブルは日常茶飯事。しかし著者がそんな中で5年もシェアハウスでウマく生活できたのは、「ハウス内の付き合いは広く、浅く」を心がけたからなのだという。

 シェアハウスで4年間を過ごし、すっかりハウス内の古株となった彼女に訪れたのが、管理会社からの急な退去勧告だった。理由は「他の入居者への迷惑行為」とのことだが、その内容はほとんど難癖。納得のいかない中沢氏は弁護士や消費者センターなど手あたり次第に相談し、反撃態勢を整える。管理会社と著者とのやり取りで見えてくるのが、知識がない若者たちに契約を突き付け、自分たちの思い通りに経営を進める管理会社の身勝手さだ。ろくにハウス内の管理をしないのに、不都合な住人を退去に追い込む。そのような会社は決して健全な会社とは言えない。

 結果として、中沢氏は管理会社との戦いに勝利し「30万円の立ち退き料を受け取り退去」という決着を迎えた。著者のように戦えずに泣き寝入りしてしまった人が数多くいるかもしれない。もしかしたら、今後も増え続ける可能性もある。本書内で記載されている詳細な法律・契約については割愛させていただくが、契約を結ぶ際に相手から詳細を聞かないと、相手の言うがままとなってしまい、結果泣き寝入り状態となってしまい損をしてしまうことがある。このことを忘れてはいけないと強く感じた。もちろん、すべてのシェアハウスの会社が横暴な対応をするわけではないが、相手の無知につけ込む大人には気をつけたいところだ。

文=冴島友貴

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