東大生が一番読んでいる経済本がマンガで登場! 分かりやすくより体系的に学べる。マンガで学ぶ「経済学」で身近な疑問を解明しよう!

『大学4年間の経済学がマンガでざっと学べる』(KADOKAWA)
  • 『大学4年間の経済学がマンガでざっと学べる』(KADOKAWA)

 東大生が一番読んでいる経済書として話題になった『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』(井堀利宏/KADOKAWA)。以前記事(http://ddnavi.com/news/280553/a/)でも紹介したが、その本がさらにグレードアップした。12月24日に発売された『大学4年間の経済学がマンガでざっと学べる』(KADOKAWA)である(電子書籍も同時配信)。

 この夏には、「図解版」(『<図解>大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』)が登場し、直感的で分かりやすいと評判であった。けれども、今度はマンガ版である。同シリーズの著者、東京大学名誉教授の井堀利宏先生とイラストレーターのカツヤマケイコ氏が掛け合いをしつつ経済学を解説してくれる内容になっている。

 図解版も非常に分かりやすかったが、このマンガ版は“画期的”に分かりやすい。当たり前だが「経済学」は、「学問」だから“お堅い”内容だ。だが、カツヤマ氏によって身近な出来事と経済学を結びつけてあり、記憶に残りやすい内容にパワーアップしている。サブタイトルに「学び直しの決定版」とあるが、“初めて”学ぶ人にもとてもありがたい一冊だ。

■ずっこけるほどシンプルに解説

 マンガ版では、井堀先生とカツヤマ氏の“掛け合い”と先述したが、この対話が初心者の疑問を的確に表現してくれている。「それってつまりどういうこと?」「なんでそれが必要?」といった疑問に逐一答えてくれているからだ。

 例えば本書の冒頭。「経済学って何をしようとする学問なの?」という初心者のもっともな問いには、次のように簡潔に答えをくれる。

【経済主体】(家計・企業・政府)が【市場】でモノ(財・サービス=商品)や金を交換しあう行動(経済活動)をシンプルに説明しようとする学問

 ズコッと転んでいるコマの通り、「そんなことだったのか!」と、要所中の要所を選りすぐって紹介してくれている。どんなに読解力が低い人でも、「これが大切」、ということが伝わりやすくなっている。

■今の社会をミクロ・マクロ経済的に言うと?

 本書の構成は、上記のイントロダクションから始まり、ミクロ経済・マクロ経済、それぞれの要点をまとめている。

 たとえばミクロ経済的に、最近話題の「経済格差」を説明すると、「ローレンツ曲線」で表せたり、また「ジニ係数」といった指標で表せることが、見えてくる。その結果、「所得再分配政策」がはやり必要だということが理解できる。

 マクロ経済の最後には、なぜ90年代から不況が続くのかを解き明かす。「政治はどうして経済を立て直せないの?(失われた20年と政治的景気循環論)」では、経済政策が実感するまで時間がかかるということ。そして選挙と政治が連動していることを紹介している。

 既刊の同シリーズは、積極的に経済学を学びたい人にはとても理解しやすかった。けれどマンガ版は、「勉強しよう」と気が進まない人。しかし「なんで世の中こうなっている?」という疑問を持っている人が答えを得られる内容になっている。より実社会で役立つ構成である。

 だが、本書はただの時事ネタを扱っているだけはない。「体系的」な知識が得られるところが他書とは一線を画すところだ。本書の最後に、井堀先生はこう述べている。

日本経済がよくなってはじめて、私たちの生活レベルも向上します。…

デフレや不況はどうして生じるのか、アベノミクスは成功しているのか、こうした様々な疑問に答えるには、経済現象の表と裏を理解し、世の中の経済活動を体系的に分析できる経済学という道具が役に立つはずです。

 経済学を網羅的に知ることは、様々な疑問を解明する良き“道具”になると。この本を知れば、経済のある程度の謎は解けるだろう。けれどこれからの時代、自分で答えを見つけ出す力が必要なのだ。

 誰かの言うとおりに「国民年金だけに加入」していたとか、「株を買った」とか「土地を売った」とかこれからの人生にも経済的センスは不可欠だ。けれどそれをいつも人任せにしていていいのだろうか。

 先行き不透明な時代の転ばぬ杖として、働く人も主婦も学生もみんなが経済的センス持たなければならない時代だ。この一冊、読んで置いて絶対に損はしないはずだ。

文=武藤徉子

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