甘酸っぱさ120%!!! 不器用男子×無自覚女子の腐れ縁ラブコメ漫画『四月馬鹿』にニヤニヤが止まらない!!

『四月馬鹿』(川辺蛙子/双葉社)
  • 『四月馬鹿』(川辺蛙子/双葉社)

 クラスやグループにうまく馴染めない人間は、どこにでも存在する。そういった不器用な人は、「根暗だ」とか「なんか怖い」とか言われ、そのコミュニティからはじかれる。しかし言われたところで改善するスキルもなく、「自分にはそういう生き方しかできないんだ」とさらに心を閉ざしていく。漫画『四月馬鹿』(川辺蛙子/双葉社)の主人公・雨ヶ瀬美男も、そんな不器用男子の1人だ。

 転校生であることでただでさえ目立つのに、美男は不愛想で喧嘩っ早く、たまの一言も刺々しい。おかげで上級生には目をつけられ、クラスメイトからは腫れ物扱いされているが、美男はもはや開き直っていて改善する気もない。

 だが、そんな美男にまったく物怖じせず、しつこつ付きまとう女子がいた。桜田花だ。桜田は、いくら邪険にされても無視されても、毎日のように「ヨシオー!」と声をかける。明るくて友達も多いのに、一向にやめようとしない。しかしひょんなことから、桜田のせいで美男が階段から落ち、全治一か月の怪我を負わせてしまった。責任を感じた桜田は、この日から美男の世話をすると言い出して――!?

 美男は最初は、はっきり言ってものすごく感じが悪い。いつも人を見下したような言動をし、桜田に対しても事あるごとに「うっせーなブス!」と噛みつく。しかしそんなことはお構いなしの桜田は、「このデコ助!」と対等に言い合ってくる。そんな桜田のことを、美男は本気で鬱陶しいと思っていた。しかしいくら酷いことを言っても笑顔を向けてくる桜田に、次第に惹かれていく。いつの間にか美男の中で、桜田はいて当たり前の存在になっていた。

 だがしかし、だからと言って急に素直になれるはずもない。桜田のことを意識し始めてから、美男はより一層不器用なツンデレと化す。どうにか桜田との距離を縮めようと悪戦苦闘するが、とにかく空回る。うまくいかない。出遅れる。この不器用さがどうしようもなく甘酸っぱくてもどかしく、ニヤニヤせずには見られないのだ。それと同時に、どこか自分にも思い当たるふしがあり、「ああ! 美男、あと一歩! がんばれ!!」とつい本気で応援してしまう。

 この『四月馬鹿』は、不器用な人には一歩踏み出す勇気と“あるある”的な恥ずかしさ、そうじゃない人には苦手な人と打ち解けられる可能性とニヤニヤを与えてくれる。誰だって、誰かに助けてもらって生きている。たまには自分も、桜田のように誰かの手を引っ張る役目を担いたいものだ。

文=月乃雫

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