手塚長男&監督が語る“現代版アトム”の顔立ち

ハリウッド版『ATOM』いよいよ発進
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あの「鉄腕アトム」がフルCGアニメ『ATOM』(10月10日公開)として、ハリウッドで映画化された。手塚治虫の長男で、監修を務める手塚眞は「日本人の誇りであり、宝物だったアトムを、次の世代に向けて、世界のもの、地球の誇りにできるような作品に仕上げてくれた」と自信を見せる。来日したデビッド・バワーズ監督と共に、新生アトムの魅力を語ってくれた。

今回のハリウッド版アトムは、国際性や21世紀の観客の感性を意識して、いくつかのアレンジが施されている。例えば、舞台はメトロシティという空中都市に変わり、アトムのエネルギー源が原子力でなく星の破片から抽出された“ブルーコア”に変更され、顔立ちも少し大人っぽくなっている。

だが、「原作のアトムは60年代と同じように現代にも響くキャラクターであり、ストーリーだ」とバワーズ監督は言う。

「今、我々は決して明るくない時代に生きていますが、そんな時代だからこそ、アトムは一条の希望となって輝く存在だと思う。他者への愛や差別問題といったテーマも、今の時代に強く訴えかけるはずです」。

すべてが、原作をリスペクトした上でのアレンジなのだ。そのため、制作したイマジ・スタジオと手塚プロダクションの間で、入念な話し合いが持たれた。

手塚は、「アトムをCGで描かなきゃならない時に、どこまで変えて、どこまでオリジナルの魅力を保つかは、技術論になってくる。ちょっとしたニュアンスの差で、大きく形を変化させてしまうので、監督の感性に任せて作ってもらったものを、見て良ければOKで、ダメならその点だけ指摘するようにした」と経緯を明かす。

「例えばアトムのまつ毛。漫画では女の子のように描かれていますが、あれをCGで再現すると違和感がある。結局、監督が漫画とは違うけど目がパッチリするまつ毛を考案してくれました」。

自身が映画監督でもある手塚は、できるだけ原作に縛られないで、自由な発想ができるように配慮したそうだ。バワーズ監督も、アトムの素材としての魅力をさらに強調して言う。

「私がアニメ作りで最も重視しているのは、愛情を持ってもらえるようなキャラクターと、エモーショナルなストーリーです。幸いなことに、アトムには最初からそれがあった。父と息子の魅力的なドラマがあり、エキサイティングなアクションやアドベンチャーがあり、笑いの要素まである」。

こうして、普遍性と新しさを兼ね備えた“地球標準”のアトムが誕生した。ぜひ劇場で、生まれ変わったアトムを再発見してほしい!【取材・文/外山真也】

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