『戦慄迷宮3D』清水崇監督があえてした“あざとい演出”

日本初の3D実写長編映画『戦慄迷宮3D』を手がけた清水崇監督
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日本初の3D実写長編映画『戦慄迷宮3D』がついに10月17日(土)から公開された。富士急ハイランドの人気アトラクション「戦慄迷宮」を舞台にした本作でメガホンをとった、清水崇監督に話を聞いた。

清水監督が3D映画で最もやりたかったことは、“臨場感”を出すことだという。「IMAXシアターでやっていた『ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密』(03)という映画で、“飛び出す”というより、“その場に居合わせている”ような感覚がすごいなと思ったので、そこをできれば目指したいなと思いました」と自身の3D映画体験を語ってくれた。

「参考に観た『ブラッディ・バレンタイン 3D』(09)がそうでしたが、若者がキャーキャー叫んで一人ずつ殺されていって…正直、何一つ真新しさを感じられなかった。戦慄迷宮も、お化け屋敷舞台の若者主役の3Dではあるけれど、誰もが想像するよくあるスラッシャーにしたくないし、真新しい3Dの表現を模索したかったんです」とオリジナルを目指す監督。

そのため、「急に何かが出てきて脅かすとか、大きな音で脅かすとか、素早いカットの羅列などを排除しました。それらは“surprise”であって、“scarely”ではないんです。むしろ、怖さ押しではないダークな美しさの中で“scarely”を感じてほしい」というのが演出ポイントだ。

そして、興味深かったのは、3D映画の逆説とでも言うべき点だ。「3D映画を長尺で観ていると、“立体効果”は薄くなっていくんですよ。それは目や脳の慣れと物語への没入感か? とは言え、今回は“3D”もタイトルに付くわけだし、あえて多少は“あざとい演出”にも挑戦しました」と振り返る。

「例えば、カメラに向かって手を伸ばしたり(スクリーンから手が伸びて迫って来るようにしたり)、物を投げ飛ばして(スクリーンから飛び出して見えるようにして)みたり、2Dで観た時にも恥ずかしくない程度に、物語や表現に取り入れてみました」と3Dならではの対応もあるようだ。

撮影のためにカメラを開発するなど、別角度からも新しい試みをしている本作。先日行われたベネチア国際映画祭での本編上映では好反応を得られ、満を持しての日本公開となった。ぜひとも3Dメガネをかけて、アトラクションのような恐怖の3D映画を体感してみよう。【Movie Walker/堀田正幸】

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